金曜日の海外時間には、米中貿易戦争への懸念などからドル売りが優勢となりました。また今朝方大阪地方で地震が発生したことからリスク回避の動きで円買いが強まっています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

今朝方大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。詳細な被害状況は報じられていませんが、日経平均が下落する中リスク回避の動きで円買いが優勢となっています。現在までの報道では、サプライ・チェーンなどへの深刻な影響はない見通しと考えられ、持続的なリスク回避や円買いには繋がらないと考えられます。

レンジ取引を前提とした逆張り

先週金曜日、日銀金融政策決定会合後の黒田日銀総裁の会見後に高値を更新しなかったことから110.75円でドル売り円買いのポジションを作りました。先ほど金曜日の安値を割り込んだものの下落が続かず反発してきたので110.40円で小幅ですが利益を確定しました。上で書いたように、今回のリスク回避の動きは続かないと考えていますので、引き続き110円台を中心とした狭いレンジ内の取引となると考え、110円近くではドル買い、111円近くではドル売りのポジションを作りたいと考えています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、米長期金利が低下したことと米中貿易戦争懸念からかドル売りが強まって、ドル円は110.30円台まで下落し、ユーロドルは1.1610台まで、ユーロ円も128.30円台まで上昇しました。この間クーレECB理事が「インフレは2%に向け「持続的」に収れんすると予想」と述べたこともユーロ買いを後押ししました。しかし独政権のCDU・CSUの連立が解消される可能性が報じられるとユーロが売られましたが、すぐに買い戻されました。その後米長期金利が反発したことからドルが買い戻され、ドル円は110.70円台まで上昇し、ユーロドルは1.1580台まで下落しました。

NY時間序盤に、米政府が関税の対象となる中国からの輸入品リストを発表するとともに、トランプ大統領「中国が報復措置なら追加関税」としたことからドル売りが強まって、ドル円は110.40円付近まで下落し、ユーロドルは1.1620台まで上昇しました。その後米長期金利が反発したこともあってドルはやや買い戻され、ドル円は110.50円台を中心としたもみ合いになった一方、ユーロドルは高値圏の1.1610台を中心としたもみ合いとなりました。

今朝方大阪を震源とする最大震度6弱の地震が発生したことから日経平均が下落する中リスク回避の円買いが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には主要な経済指標発表はありませんが、ボスティック・アトランタ中銀総裁ドラギ・ECB総裁、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp