昨日の海外市場では、ドル円は方向感なく110.50円を挟んでのもみ合いに終始する一方、ユーロドルは1.15ドル台から自律反発を見せ1.16ドル台に戻す動きとなりました。

東京時間に入り、トランプ大統領が中国製品に対する追加関税検討を支持すると報じられると、先の見えぬ米中の報復関税の応酬を嫌気してリスクオフの円買いが進み、110円を割り込む動きとなっています。

今後の見通し

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(画像=PIXTA)

米中の報復関税の応酬から貿易摩擦の不透明感が一層高まることとなり日経平均株価は下落、リスクオフの円買いの動きが強まっています。米経済は堅調さを維持しているものの、株価の下落が実体経済に及ぼす影響が懸念されます。ドル円はFOMC後の安値を割り込んできたことで調整局面入り、109円台前半を窺う展開が予想されます。

レンジ下抜けで戻り売り戦略

先週来形成されていた109円台後半から110円台後半のレンジ相場が下抜けつつあることから、上げの起点となった109円台前半への調整を狙って、110円近辺での戻り売りを試みたいと考えます。損切ラインは昨日東京時間安値110.30円上抜けとします。

海外からの流れ

欧州序盤、ユーロ売りが強まり東京時間安値1.1570ドル台を下抜けたものの売りは続かず、その後はショートカバーが優勢となり1.1620ドル台まで回復する動きとなりました。欧州時間昼過ぎに、ドイツのメルケル首相が移民問題に関するCSU案の受け入れを表明するも、ドイツ政局の不透明感が継続するとの見方からユーロは反落、一時1.16ドルを割り込みましたが、1.15ドル台では買い戻し意欲が強く再び1.16ドル台へと値を戻し、高値圏での引けとなりました。

一方ドル円は早朝の大阪北部地震で売り込んだ向きのショートカバーで値を戻すも110.60円付近は重く、しかし堅調なユーロ円の動きにつれ下値も堅く、結局110.50円を挟んだ20銭程度のもみ合いに終始しました。

今日の予定

今日の海外時間には、ドラギECB総裁、プラートECB専務理事、ブラード米セントルイス連銀総裁の講演が予定されています。

また米・5月住宅着工件数および建設許可件数の発表も予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp