投資信託協会によると日本に1万本以上ある投資信託(2018年4月末時点)。公募投信に絞っても6000本を超えるなか、個人投資家はどのように投信を選べば良いのだろうか。日本に10名ほどしかいない「ファンドアナリスト」である楽天証券経済研究所の篠田尚子氏に選び方のポイントを聞いた。(聞き手:ZUU online編集部 菅野陽平)※インタビューは5月25日に実施

ファンドアナリストが語る「優れた投資信託の選び方」楽天証券 篠田尚子【前編】 ZUU online Members
(画像=ZUU online編集部)

優れた投資信託の選び方 失敗の8割を占めるパターンとは

——個人投資家にとって投資信託の基準価額は分かりづらい部分があります。

ご指摘の通りだと思います。投資信託の場合、値上がりした商品が優れた商品とは限りませんし、反対に値下がりした商品がお買い得とも言えません。どういう事かというと、投資信託って基準「価額」と言うじゃないですか。価額は英語で「バリュー」です。価格(=プライス」ではないんですね。株価とは違うので、割安割高はありません。あくまで、本当にその運用がうまくいったかどうかで基準価額の騰落が決まります。

例えば、多くの人が買っているから割高だとか、基準価額が下がって割安だから今が買いどきだとかは誤った認識です。これは株式の取引経験がある方のほうが誤解しやすい感覚なんですね。