昨日の海外時間には米長期金利が低下したことなどから全般的にドルが売られました。
今後の見通し
昨日は米長期金利が低下して全般的にドル売りが優勢となりました。ドル円相場は結局6月以降からのレンジ上限に届かずに反落した形で、再びレンジの中心である110円付近まで下落しています。昨日とは逆に110円割れは6月半ばからは買いが優勢となっている水準なので、週末を控えて109円台後半では買戻しが優勢となりそうです。
109円台半ばでドル買い
110.80円付近でのドル売りを目指していましたが、110.70円台で伸び悩んでしまいました。欧州時間に110.60円手前で2回上げ止ったことから110.50円でドル売りポジションを作りました。NY時間に109.80円台が堅かったのでさきほど110円で買戻して現在ポジションはありません。上で書いたように109円台後半では買戻しが強まると見ていますので、109.60円付近まで下落した場合はドル買いポジションを、109.40円に損切りを設定して作ります。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、イタリアでユーロ懐疑派のバニャイ議員が上院財務委員会委員長に指名されたことからユーロ売りと円買いが強まって、ユーロドルは1.1500台まで、ユーロ円は127.00円付近まで、ドル円も110.30円台まで下落しました。この間原油相場が下落したこともリスク回避を後押ししました。その後売りが一巡して原油相場が反発するとリスク回避がやや後退し、ドル円は110.50円台まで、ユーロドルは1.1540台まで、ユーロ円は127.40円台まで反発しました。またこの間BOE(英中銀)が政策金利を据え置きましたが、反対票が予想の2票より多い3票だったことから利上げが近づいたとしてポンドが買われました。
NY時間にはいって発表された米・6月フィラデルフィア連銀景況指数が予想を下回ったこともあって米長期金利が低下する中全般的にドル売りが優勢となって、ドル円は109.80円台まで下落し、ユーロドルは1.1630台まで上昇幅を拡大しました。この間ユーロ円は127.90円台まで上昇したあと127.30円台まで下落し、127.80円台まで反発しています。
NY時間午後にかけて、米長期金利が上昇したことから円売りが優勢となって、ドル円は110.40円台まで、ユーロ円は127.90円台まで上昇しました。一方ユーロドルは1.1590台まで上昇したあと1.1570付近まで下落しています。その後「ホワイトハウスの一部当局者が中国との貿易戦争回避のため、7月6日の対中関税発動前に同国との協議再開を目指している」と報じられたことから円が売られる場面もありましたが、すぐに買い戻されています。
東京時間にはいって大きく下落して寄り付いた日経平均が下げ幅をやや縮小していることからドル円は110円台を回復しています。
今日の予定
今日の海外時間には、独/ユーロ圏・6月製造業/サービス業PMI(速報値)の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp