金曜日の海外時間には、トランプ大統領がEUからの輸入車に20%の関税課す可能性を警告したことからユーロが売られましたが、NY時間午後にはいって米長期金利が低下したことなどからドル売りが優勢となる中ユーロは買い戻されました。
今後の見通し
先週のドル円は、結局最近の取引レンジの上下を確認するような動きとなりました。米中や、米欧の貿易戦争入りの可能性がある中、円売りになりにくい地合いが続いていますが、一方で実際に関税措置が発動する可能性は低いのではとの見方もあって、リスク回避の円買いがそれほど強まるわけでもありません。今週は木曜日、金曜日にEU首脳会合が開催されますが、その場でのBrexit交渉の進展や、対米貿易問題についての話し合いの行方に注目が集まっています。
109円台前半でドル買いポジション
今朝方からドル売りが優勢となっていますが、米中貿易摩擦問題睨みの取引が続く中、レンジを変える動きにはなりにくいと考えています。そこで6月8日の安値である109.20円付近でドル買い円売りのポジションを作りたいと思います。損切りラインは108.90円割れです。
海外時間からの流れ
欧州時間序盤、フランス・サービス業PMIが予想を上回ったことからリスク回避が後退する中、米長期金利と日経平均先物も上昇したことからユーロ買いと円売りが優勢となって、ユーロドルは1.1670台まで、ユーロ円は128.60円付近まで、ドル円は110.20円台まで上昇しました。その後一旦ユーロの売り戻しが強まる場面もありましたが、NY時間にかけて再び反発しました。この間ドル円は110.10円台を中心とした狭いレンジ内の取引が続きました。
NY時間にはいってトランプ大統領が「関税障壁が早急に撤廃されない場合EU内で組み立てられた全ての自動車に対し20%の関税を課す」と述べたことからリスク回避の動きの中ユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.1610台まで、ユーロ円は127.60円台まで、ドル円も109.80円付近まで下落しました。しかしNY時間午後にかけて株価と米長期金利が堅調に推移したことからリスク回避が後退して、ユーロドルは1.1660台まで、ユーロ円は128.20円台まで、ドル円も110.00円付近まで反発しました。
週末に行われたトルコ大統領選挙では現職のエルドアン大統領が予想通り勝利した模様で、議会選挙でもエルドアン氏率いる親イスラム政党・公正発展党と共闘する政党の合計議席が国会定数600)の過半数を得たと報じられています。利下げを公言するエルドアン氏の勝利はリラ売りに反応する可能性が指摘されていましたが、朝方は体制の安定を重視したためかリラは上昇しています。 一方週明けの日経平均が下落していることから、主要通貨では円買いが優勢となっています。
今日の予定
今日の海外時間には、独・6月IFO景況指数、米・5月新築住宅販売件数の発表が予定されています。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp