昨日の海外時間には、米政府、議会要人の発言を受けて、貿易戦争入りの懸念がやや遠のいたとしてNYダウが下げ止まったことからドルが買われました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

ドル円は6月19日の安値(109.50円台)を割り込んだものの、6月8日(109.20円付近)の安値にも届かず反発しました。特段の進展はなかったものの、ハセットCEA委員長や議会の重鎮であるライアン下院議長の発言を受けて、苛烈な貿易戦争への突入回避の可能性がやや遠のいたとの思惑でNYダウが下げ止まったことが原因と考えられます。ただ、引き続き貿易戦争や、投資制限関連の報道で一喜一憂する相場が続くと考えられ、結果的に109円台から110円台でのレンジ取引が続く見通しです。

レンジ取引前提で109円台前半でドル買い

109.20円付近でドル買い円売りのポジションを作りたいと思っていましたが、一昨日の東京時間、NY時間、昨日の東京時間と109.30円台で下げ止まったことから109.50円でドル買いのポジションを作りました。損切りラインを109.20円に置いていましたが、さきほど110.00円で利益を確定しました。再び109円台前半で下げ止まるようであればドル買いをしたいと考えています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、米長期金利が上昇したことからややドルが買われ、ドル円は109.80円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1650付近まで、ユーロ円も127.80円付近まで下落しました。しかし米長期金利が反落するとドルも売られ、ドル円は109.50円台まで下落し、ユーロドルは1.1680台まで上昇しました。

NY時間にはいって、ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が「米国が中国とEUの関税引き下げを勝ち取る可能性は高い」、ライアン米下院議長が貿易不均衡の是正について「関税引き上げよりも良い手段がある」と述べたことから貿易戦争懸念がやや後退して米株価と米長期金利が上昇する中ドル買いが優勢となって、ドル円は110.20円台まで、ユーロ円も128.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.1630台まで下落しました。

東京時間にはいって、日経平均が軟調に推移していることから円買いが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には、米・5月耐久財受注、米・5月中古住宅販売保留指数の発表があるほか、カーニー・英中銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp