昨日の海外時間には、トランプ大統領が「中国投資制限で最も厳しい措置は取らないと決定」としたことから一旦はリスク回避が後退しましたが、その後クドロー国家経済会議委員長「トランプ大統領は中国への姿勢緩めていない」と述べたことからリスク回避の動きが再び強まってクロス円が下落しました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日のNY株式市場は、朝方こそトランプ大統領の「中国投資制限で最も厳しい措置は取らないと決定」との発言を受けて上昇したものの、午後にかけてはクドロー国家経済会議委員長が「トランプ大統領は中国への姿勢緩めていない」と述べたことを受けて急速に失速し、結局は165ドル安で引けています。為替市場の反応も当初はリスク回避の後退でドル売り円売りでしたが、その後はリスク回避のドル買い円買いとなって、クロス円が下落しました。ドル円はドルと円双方が買われたことから引き続きレンジ内の動きが続いていて、しばらくは110円を中心としたレンジ取引が続くと考えられます。

レンジ取引継続を前提に逆張り

109円台前半でドル買いをしたいと考えていましたが、下りきらなかったためポジションはありません。引き続き109円台前半から110円台半ばのレンジ取引が続くと予想していますので、レンジの上限、下限に近付けばポジションを作りたいと考えています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、米長期金利が低下したことから円買いが優勢となって、ドル円は109.60円台まで、ユーロ円は127.80円台まで下落しました。しかし米長期金利が反発するとドル買いが優勢となってドル円は110.00円付近まで上昇し、ユーロドルは1.1600台まで、ユーロ円も127.60円台まで下落しました。

NY時間朝方、トランプ大統領が「中国投資制限で最も厳しい措置は取らないと決定」としたことからリスク回避が後退して円売りが強まって、ドル円は110.30円台まで、ユーロ円は128.30円付近まで、ユーロドルも1.1630台まで上昇しました。その後全般的なドル買い強まる流れとなって 、ドル円は110.40円台まで上昇幅を拡大した一方ユーロドルは1.1580台まで下落しました。

NY時間午後にかけては、クドロー国家経済会議委員長「トランプ大統領は中国への姿勢緩めていない」と述べたことから、各国株価が下落基調に転じる中リスク回避の動きでドル買い円買いが優勢となって、ドル円は110.10円台まで、ユーロ円は127.20円台まで、ユーロドルは1.1540付近まで下落しました。

東京時間にはいって、日経平均が軟調に推移していることから円買いが優勢となっています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・6月業況判断指数、独・6月消費者物価指数、米・第1四半期GDP/個人消費/GDP価格指数/コアPCE(確報値)、米・新規失業保険申請件数の発表があるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp