いま「接骨院のフランチャイズ」が感度の高い経営者の間で注目されつつあるという。誰しも一度は施術を受けるであろう接骨院。個人開業のイメージが強いが、接骨院のフランチャイズとはどのようなものなのだろうか。「事業投資」に興味がある経営者や投資家はぜひ確認して頂きたい。

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(画像=PIXTA)

国家資格者が施術する接骨院は健康保険の適用が可能

まず、接骨院について確認しておこう。接骨院では国家資格者である柔道整復師が施術を行う。一方、街で見かけるエステサロン、もみほぐし、整体院などは民間資格者が対応する。接骨院の場合は健康保険が使えるので、流行り廃りに左右されにくく、安定した集客が期待できそうだ。

接骨院の売上は大きく分けて2つある。健康保険が適用される保険療養費、そして健康保険適用外の施術に対する窓口売上だ。前者は具合が悪い箇所を治しに来る、いわばマイナスをニュートラルに戻したいニーズを持つ患者だ。後者はより健康促進したい、いわばニュートラルをプラスにしたいニーズを持つ患者と言えよう。

後者のニーズだけであればエステサロン、もみほぐし、整体院などでも対応することができるが、前者をカバーするのは難しい。接骨院であれば、異なるニーズを持つ患者を同時に受け入れることができ、前者がニュートラルな状態に戻ったあとは、間髪を入れずに後者(健康保険適用外の施術で健康促進を促すこと)のニーズを喚起させることも可能だ。

個人開業が多い接骨院業界に「規模のメリット」を働かせる

首都圏を中心に60店舗以上の接骨院を抱え、業界でも最大手規模のMJGグループによると、接骨院は全国で約48,000件以上あるという。全国のコンビニ店舗数が約5万5000店舗(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の2018年5月統計より)なので、印象よりも多くの接骨院が存在しているのではないだろうか。それでも経営できているのは、それなりの理由があるということだ。

ここからは「接骨院のフランチャイズ」について見ていこう。もともと接骨院業界は個人開業が大半で、規模のメリットが働きづらかった。そんな接骨院業界に新風を吹き込んでいるのがMJGグループ(本社・東京都立川市)だ。MJGグループは独特なフランチャイズモデルを導入しており、本部が加盟オーナーに代わって店舗を運営するという『本部運営委託型フランチャイズ』を展開している。これにより、加盟オーナーは新しい事業にリソースを割くことなく、これまで通り本業に専念しながら収益の柱を増やすことができる。更に、特徴的なのは、加盟オーナーが自社で人材の採用また雇用をしなくて良いという部分にあろう。このご時世、人材不足に悩まなくて良い経営というのは、経営者として最大のメリットかも知れない。

前述のように個人開業が大半を占めるのが接骨院業界だ。そのなかでMJGグループは60を超える店舗を既に抱えているため、内装設備、人材採用、医療機器のリースとあらゆる面において「規模のメリット」が働くことは想像に難くない。雇用される柔道整復師の側に立っても、個人開業と業界最大手、どちらに採用されたいだろうか。

実際にMJGグループは資格保有者向けの求人サイトを独自に保有し、加盟オーナー店に人材を供給している。成功事例をグループ内で共有し、横展開することも可能だ。他院と差別化された独自技術「PIMバランス」も確立し、オーナー店舗の保険適用外売上を伸ばしている。個人開業の他院では、なかなか対抗できない部分も多いだろう。

固く「スモールスタート」で始めるという選択肢

場所や店舗規模にもよるが、気になる開業費用は概算で3000万円くらい、月商は300〜400万円ほどのケースが多いようだ。月々のオーナー利益は60〜70万円ほど(利益率20%前後)という。

1店舗あたりの売上、利益は決して高額でないことから、まずはスモールスタート(1店舗)で始めてもらい、コツをつかんだら5店舗、10店舗と拡大していくのが良さそうだ。実際に、そのつもりで始めている経営者が多いという。事業投資を考えている経営者は、一度詳細を確認してみてはいかがだろうか。