投資物件をすべて自分で管理することは難しく、管理会社選びはきわめて重要だ。その管理会社の中には、客付けしたり、近隣の客付け会社と連携したりしてくれるところもある。投資物件がきれいに保てるか、満室で収益を生み続けてくれるかどうかは、管理会社にかかっているとも言える。信頼できる管理会社を選ぶにはどうすればいいのか。筆者が教える「やってはいけないこと」とは。

(本記事は、黒崎裕之著書『100万円からできる「地方一戸建て」超高利回り不動産投資法』=日本実業出版社、2018年6月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

【『100万円からできる「地方一戸建て」超高利回り不動産投資法』シリーズ】
(1)「地方に借り手は居ない」はウソ? 不動産投資物件を探すポイント
(2)地方で高利回り「超お宝」一戸建てを見つけるためにすべきこと
(3)物件の管理会社選びで「やってはいけない」こととは

地方一戸建て不動産投資
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

物件所有エリアの管理会社に嫌われたら終わり

管理会社の選定は、決済前に行ないます。

決済前に物件の近隣にある不動産会社の店頭に出向いてヒアリングをしながら、そのタイミングで管理会社についても合わせて情報収集をします。

どういった管理会社があるかは、ネットで検索して調べたらすぐにわかるはずです。

まずは、管理料、ターゲット属性、そして駐車場の有無を調べます。

駐車場は戸建て投資と地方のアパート投資には必須の要件なので、必ず確認してください。

次に、物件のメリット・デメリット、敷金・礼金・広告費・更新料を聞きます。ここまでヒアリングをしたら、自分の物件がいくらで決まるのかを質問します。

「御社に任せたら、いくらの家賃であれば決めてくれますか?」という感じで聞いていきましょう。

あとは細かい項目です。

空室率はどれくらいか、生活用品はどこで買えるのか、物件の歴史や競合スペックはどうか、リフォームはどれくらいすればいいのか、などです。

管理会社の業務は、集金、クレーム対応、建物の維持管理、契約業務、客付け(入居募集)、退去立会い、修繕の手配など多岐にわたりますが、もっとも大切なのは「客付力」です。

もし、「うちでその物件を管理させてくれなければ、お客様を紹介しない」といわれたら、別の管理会社をあたりましょう。このようなことをいう不動産会社もあるのです。

ただ、そもそも管理会社の数が少ないエリアだったら、そんなこともいっていられません。その場合はあきらめて、そのまま管理を委託しましょう。

物件エリアに 10 以上の管理会社があるのであれば、「すみません、出直してきます」と丁寧に距離を置きましょう。

もしかしたら、その管理会社に最終的に委託する可能性もあるので、悪い印象を与えないように丁寧な対応を心がけることが大切です。

こうした繊細なコミュニケーションは、とくに男性は不得意な人が多いのですが、投資の成否を左右する重要な部分なので、ぜひ心がけてほしい部分です。

ここは難しい話ですが、起きたことのすべての責任は、大家である自分のせいだと考える必要があります。

他人のせいにしてはいけません。誰かのせいにしたところで、あなたの現金は増えませんし、自分の成長にもつながりません。

成功しているビジネスオーナーは、自分のプライドではなく、結果にコミットします。プライドを優先している限り、儲けられないからです。

しかし、まだ経験が浅い人であれば、相手にされないことがあっても根負けしてはいけません。違うと思ったことも反論せず、歯を食いしばるような我慢も必要なのです。

自分の相性と合う管理会社とは?

地方一戸建て不動産投資
(画像=Worawee Meepian/Shutterstock.com)

管理会社は、自分と相性が合うかどうかが重要なポイントです。

管理会社を選んだら、連絡をしっかり取り合いましょう。メールでやり取りするのが苦手な管理会社も多いので、その際はFAXや電話で連絡を取り合います。

私の場合、メールを送ったあとに電話をするようにしています。電話だけというのは相手に忘れられますし、伝えた証拠が残らないので、できれば避けたほうがいいでしょう。

管理会社にもよりますが、ビジネスマナーがまったくなっていない人が対応することもありますし、担当によっては返事ばかりよくて全然動いてくれず、「本当に人の話を聞いているのかな?」と思うこともあるかもしれません。

しかし、それでも謙虚な姿勢で接し続けましょう。いかに彼らに気持ちよく動いてもらえるかどうかは、大家のコミュニケーションスキルにかかっているといっても過言ではありません。

管理会社の「客付力」をチェック!

「管理会社の客付力を重視」と説明しましたが、管理会社の客付けには「ワンマンプレー型」と「チームプレー型」があります。

ワンマンプレー型は、自社のみで客付けをする管理会社です。主に大手のフランチャイズチェーンなどがその傾向にあります。

チームプレー型は、管理会社自身はさほど客付けが得意でなくても、近隣の客付会社とのネットワークが構築されており、しっかりと空室を周知して客付けの依頼をしてくれる会社です。

一般的には、入居が決まると、入居者は客付会社に対して賃貸仲介手数料を支払います。広告費が出ていない地域では、この手数料を管理会社・客付会社で分けます。

広告費1か月が出ている場合は、仲介手数料を客付会社、広告費を管理会社がもらうことが多いです。

そうなると、ワンマンプレーで客付けのできる会社は、利益が2倍になるということです。これがチームプレーでは管理会社・客付会社と分けることになります。

エリアにおけるその会社の力や、各社の連携体制が変わるところが多いので、一概にどちらがいいとはいえませんが、私はワンマンプレーの管理会社は避けたほうがいいと思っています。

フランチャイズ系の管理会社は、ワンマンプレーを目指しながらも他社と連携をするものですが、なかには一社のみで抱え込んでいるケースもあります。大手の一部は多額の広告宣伝費をかけているので、そういった営業方針の会社もあるようです。

これは私の主観ですが、フランチャイズ系には管理をあまり委託したくないと考えていると感じています。例えば、害虫駆除費、 24 時間電話サポート費などよくわからないお金を入居者から次々に徴収するからです。

また、ある大手フランチャイズでは、緊急災害セットというサービスを強制的に付けさせているところもあるようです。月額1,000円近くもかかるので、入居者は納得がいかないそうです。

以前、私は「入居者にそんな余計なお金がかかるなら別の会社に頼もうと思います」と断ったこともあります。

このように、管理会社によって客付けの仕方はもちろんのこと、費用面は大きく異なります。鍵の交換費だけでも、安い会社と高い会社を比較すると、倍くらいの差があります(ちなみに鍵交換についていえば、入居者が換えたいと申し出た場合のみ、交換すればいいと思っています)。

また、チームプレーの会社では、少数派にはなりますが、広告費を自社で取らず、客付会社にすべて支払う管理会社もあります。客付会社からすれば、仲介手数料に加えて広告費も得られるとなれば、客付けにも力が入るというものです。

できれば、そういった管理会社を探せるといいでしょう。

管理会社との付き合う際の注意点です。まず、店長と現場担当者では、温度差がある場合があります。そんなとき、私は店長(もしくは決裁者)と先に物件について必要な話をしてから、現場の人を紹介してもらうようにしています。

ただ、女性投資家の場合、店長に丸め込まれてしまい、話がうまく伝わらないケースもあります。自信がない人は、営業部の女性社員を見つけてランチをして話をするなどの方法もあるようです。

いずれにせよ、管理会社のペースに合わせつつ、情報を引き出すというのが理想です。また、管理会社に「どこの客付会社さんと仲がいいのか(一番客付けしやすいか)」は必ずヒアリングするようにしましょう。

なぜなら、たくさんの名前が上がった会社は客付けが強い会社ということになるからです。

「大家の背中」を見せる

不動産会社がネガティブな印象を抱いてしまいやすい大家の特徴は、「大家が努力していないのに口だけは達者なタイプ」です。

例えば、管理会社が新聞のチラシに載せる、FAXで問い合わせに対応しているなどの客付け努力をしているにもかかわらず、「いつになったら決まるんですか?」「早く決めてくれないと困ります」などと何度も口を出す……こうしたことは絶対に避けてください。

もし意見をいいたいのであれば、大家も一緒に汗を流しましょう。

保有している物件に関して詳しいことはもちろん、物件に泊まり込みでリフォームをして、物件のマイソク(物件の概要、 間取り図、地図などをまとめた資料)を自分で作るなども大切です。

マイソクを作るのは簡単なのに、意外と実践していない大家が多くいます。マイソクの作成は物件のことを理解するためにも役立つので、準備することを強くおすすめします。

私の場合、「ココナラ」というフリーの人たちが知識やスキルを提供しているオンラインマーケットサイトで募集を募り、500円くらいで間取り図を作ってもらっています。指示は簡単なラフで大丈夫ですし、ファイル形式も選べるので便利です。

ココナラは非常に便利で、物件内に置いておく注意事項のチラシなども5,000円未満で制作依頼ができます。

なお、こうして作成したマイソクは、現物(もしくはPDFデータ)で管理会社に渡しましょう。管理会社は、よほど優良物件ならまだしも、普通以下の物件をすべて把握していません。

ですから、「よかったら参考に使ってください」とマイソクを渡すだけでもいい印象を与えられます。

「絶対に満室にするためには何をしたらいいですか?」と率直に聞き、そして行動する

空室のある物件を購入したら、必ず満室にしなくてはいけません。そのためには、管理会社の力が必要です。

「絶対に満室にするためには何をしたらいいですか?」と率直にヒアリングすることが大切です。

その際には、物件の写真を見ながら話をしたほうがいいでしょう。ただし、パソコンやスマホ画面では見にくいので、印刷した状態で相談するようにしてください。

大きさはA4で4分割にしたものが一番見やすいです。ひと手間かけて、プリントを作って持参することが大事です。

というのも、メールで送ったとしても、不動産会社の社員は毎日何百通とメールが届いているため、見てもらえないことが大半だからです。私の知っている営業マンは、1人で500戸も管理しているそうです。

ですから、そのなかで自分の優先順位を上げてもらうためには、営業マンに「手間だな」と感じさせることは避けましょう。そのためには、正当なことでも、優しく伝える必要があります。営業マンに「面倒くさいな、この人……」と思われたら、そこでおしまいなのです。

不動産会社では、学歴よりも数字として成果が出せる人が評価されます。

そのなかで営業マンが成果を出していくためには、当然効率的に業務を処理していかなければなりません。ですから、大家も営業マンの効率性を考えたコミュニケーションを取る必要があります。

物件に愛着を持とう

たとえ物件が遠くにあったとしても、初心者はとくに退去時の立会後はなるべくその部屋を訪れるようにしましょう。

私は、あえて途中で立ち寄れる場所の物件を購入しています。例えば、千葉でしたら、埼玉、茨城に寄ってから行けるように購入しています。

本当はついでに他物件に寄るのが理想的なのですが、物件数が少ないと、そもそも用事がないわけですから、入退去の立会の前後に見に行けばいいと思います。

物件を定期的に見ることで、管理会社がきちんと仕事をしているのか、それともさぼっているのかがわかるようになってきます。草を刈っていない、通路に壊れた傘が並んでいる、ゴミが散乱している、ダンボールが積んである……このような事態が起こっていることは、特段珍しいことではありません。

ただし、たとえ管理会社がさぼっている様子を見つけたとしても、それを責めてはいけません。

以前、私の物件周辺の敷地内に、布団が積み上げられていることがありました。雨に濡れたら見た目にもよくないですし、火を付けられて火事にでもなったら大変です。そんなとき、私はこういいました。

「ちょっと聞いてくださいよ。物件を見に行ったら1階の敷地に布団が積み上げてあったんですよ。どうしたらいいと思いますか?」

このように、相手を責めず、相談というかたちにすることがポイントです。

「なんでこんなことになっているんですか?ちゃんと見に行ってくださいよ!」などとくれぐれもいわないよう注意してください。管理会社に怒っても、百害あって一利なしです。

むしろ、気持ちよく動いてもらうための気遣いが必要なのです。

管理会社の抜き打ちチェックという意味で、定期的に物件を見るのはもちろん、修繕の費用についても、増大請求があるかどうかチェックをしたいところです。

これは、入居者に直接聞けばすぐにわかります。オーナーとして(もしくは清掃業社やリフォーム会社を装って)物件を訪れ、入居者に何か不満はないかヒアリングするのです。

もし「管理会社が何もやってくれないんですよ」という意見があったとしたら、「申し訳ございません、相談してみますね。ほかに何か困ったことがあったら教えてください」と答えます。

私の場合、セルフリフォームをしていますし、作業服で行くので怪しまれることはまずありません。ただ、入居者と密なコミュニケーションを取りすぎると面倒なことも生じるので、ある程度の距離感を置くことは大切です。

例えば女性の入居者だったら、中年の男性オーナーが何度も自宅に来ることに不安を感じるかもしれないからです。

黒崎裕之(くろさきひろゆき)
現役不動産営業マン兼、低リスク・高利回りで不動産を運用する個人投資家。不動産投資コミュニティ「Zero One Club」主宰。過去に家族が不動産の取り扱いに失敗し1億円を超える相続税を課されたことも。その経験から、上京後に不動産の世界に飛び込んだ大手総合不動産会社の現役社員で、数々のトップ営業成績を残す。