このコーナーでは毎週原則木曜日に実施しているMarket Talk(動画セミナー)のサマリをお届けします。

2018年7月26日(木)Market TalkのSummary

決算発表は地合いのバロメーターとも言いますが、今週の決算を見てどのようにお考えですか?

個別では良い決算を出しても売られたりしているが、今日の日経平均は例外として、TOPIXでは上がっているのだから、まずは好発進をしたのではないか。実際、企業の決算発表自体は問題ないし、良い数字が出てきている。

決算を発表したファナックですが、受注減を警戒した売りが先行し、下げ止まらない状態です

第一四半期の業績自体は良く、通期も上方修正しているが、受注減が悪材料になってしまっている。中国の(ファナックの)顧客が米中通商摩擦の影響で投資を手控えているからで、これはいたしかたないことだ。ただ、今日は売り気配で始まったが、少し下げ止まって前場を終えているので、少なくとも前回本決算のあとに慎重な見通しを出して窓開けして下がった‐ファナックショックのときのような感じではない。株価は織り込みつつあるのではないか。米中間選挙前に、通商摩擦がこれ以上広がらないという見方が広がれば、中国関連銘柄の見直しも入るだろう。

第一四半期の決算発表が始まりましたが、日本電産が上方修正したにもかかわらず大きく下げています。上方修正した値がコンセンサス予想に届いていないのが一因かと思いますが、どのようにお考えですか?

期待が高すぎるというのもあるだろう。株価はしっかりしている方なので大丈夫だと思う。

日銀がETFの購入配分を見直すという報道がありましたが、今後マーケットへのマイナスインパクトはどのようにお考えでしょうか?

日銀は日経平均型のETFを買う量をどんどん減らしてきている。にも拘わらずNT倍率はどんどん上がってきていた。つまり日経平均はTOPIXを上回って推移していた。今日はこういった報道のインパクトで指数プレイをする人もいるだろうからこのような動きが出るのは仕方ないが、長期化することはないと思う。

フェイスブックの決算発表後のAfterMarketの下落が気になります。FANNG等へも若干悪影響を及ぼしているようですが

フェイスブックについては失望という感じだが、決算を受けての単純なリアクションなのでそのうち落ち着いてくるだろう。

Jリートの見通しは?

不動産市況も良いし、日本は低金利が続くから堅調だろう。

日銀の緩和縮小観測で円高・株安になると思うが実際はどうなるか?

物価上昇が低い中で、緩和縮小ができるわけがない。実際に会合が終わったら現状維持ということでこれまで円高に振れていたのが巻き戻るだろう。また、今週金曜に米GDPの発表があるが、ものすごい数字になるのではと言われている。4.2%、4.5%といった予想が出ているが、これでドルが買い戻され、ドル高・円安になるのではないか。そして来週の日銀の会合がダメ押しとなるだろう。

広木隆(ひろき・たかし)
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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