米フォーブスが世界の上場企業2000社の成長力をランク付けした「急成長企業ランキング」が発表された。首位のGreenland Holdings Group(緑地控股集団)を筆頭に、トップ10のうち7社を中国企業が占めた。

トップ100入りを果たした日本企業は、ファミリーマートが38位、めぶきフィナンシャルグループが68位、日本ペイントが87位。

複数のオンライン旅行予約サイトを所有する米国のLiberty Expedia Holdingsは、売上高が2016年の16億ドルから106億ドルとなって9位に。石油精製業や通信事業に取り組む韓国の財閥SK Holdingsは6位と健闘した。

急成長企業トップ10

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(画像= ZUU online 編集部)

10位 Cheniere Energy (米国)
9位 Liberty Expedia Holdings(米国)
8位 Hengli Petrochemical(恒力石化股フン有限公司)(中国)
7位 CNPC Capital(中国石油集団資本股フン有限公司)(中国)
6位 SK Holdings(韓国)
5位 Sumec Corporation(江蘇スメックグループ有限公司)(中国)
4位 Hubei Biocause Pharmaceutical(天茂実業集団股フン有限公司)(中国)
3位 S.F.Holding(順豊控股股フン有限公司)(中国)
2位 HNA Technology(海航科技股フン有限公司)(中国)
1位 Greenland Holding Group(緑地控股集団股分有限公司)(中国)

12億ドル規模の共同建設プロジェクトを進めるGreenland Holding Group

ランキングは、フォーブス「2018年版グローバル2000」に選ばれた企業のうち、2014〜17年の売上高の年間成長率の高い250社を紹介するもの。

1位は不動産大手、Greenland Holding Group。2015年に上海で設立されたばかりと歴史は浅いが、2017年の売上は48億ドル、利益は15億ドル、時価総額は139億ドル(2018年7月フォーブスのデータ)など、凄まじい急成長ぶりだ。「グローバル2000」の総合ランキングは341位、売上高は195位。開発、販売、賃貸から中古住宅代理店、金融サービス、工業団地リース、ホテルサービス、委託建設管理サービスと幅広い分野を手掛けている。

2018年6月には、米国のインフラ提供企業AECOMとの提携を発表。大規模な建設プロジェクトを国際的に展開していく計画だ。両社は既に12億ドル規模という、ロサンゼルス不動産建設史上最大規模の分譲マンション・ホテル建設プロジェクトを進めている。

急成長を狙う中国企業にとって、2018年は転機の年?

2位のHNA Technologyは、主に電子製品事業の販売事業と配送・商品貿易事業を手掛ける天津の企業。2017年の売上は481億ドルで売上高ランキング174位。総合ランキングでは1231位となった。

3位のS.F. Holdingは深センを拠点とする物流サービス企業で、貨物輸送や国際エクスプレス配送も請け負っている。1993年に王衛氏 が設立した。

急成長NO.1の日本企業はファミリーマート

日本で最も急成長した企業はファミリーマート。2017年の売上115億ドル、時価総額127億ドルで、売上ランキングで882位、総合ランキングでは1093位だ。日本国内・国外でコンビニの運営を手掛けるほか、eコマース、クレカ、食品製造を含む店舗関連サービスを展開している。2018年3月1日の時点で、8の子会社および17の関連会社を所有する規模に成長した。

同社は1981年の設立以来、国外進出に積極的に取り組んできた。1988年には台湾、1990年には韓国、1992年にはタイに1号店を出店している。さらに2004年は中国と米国、2009〜13年にかけてベトナム、インドネシア、フィリピンにも進出を果たした。2018年6月30日時点で国外店舗数は7060となった。

25ランクアップで米No.1に輝いたLiberty Expedia Holdings

米国企業で最も目覚ましい成長を見せたのは、2017年から25も順位を上げた Liberty Expedia Holdings。売上は2016年の16億ドルから106億ドルと驚異的な伸びを見せ、時価総額は23億ドルだ。

同社の主要資産は、オンライン旅行会社Expediaとその子会社Bodybuilding.comで構成されている。Expediaは「Hotels.com」「Travelocity 」「Hotwire」などの複数のオンライン旅行予約サイトを運営しており、これらのサイトを通した総予約件数は前年度比15%増の272億ドルに達した。

中国、米国以外でトップ10入りを果たしたのは、韓国のSK Holdingsだ。2017年の売上は825億ドル、時価総額は200億ドル。ソウルに本社を置くコングロマリット企業。石油精製業や通信事業を主力としているが、近年はテレコムやITサービス、エネルギー分野にも注力している。同社は2017年の利益を、前年の24億ドルから40億ドルへと倍増させた。

大手企業も複数トップ50入りしている。サムスンの総合事業会社Samsung C&T Corporationが17位、米国の電気通信企業Charter Communicationsが21位、無線やブロードバンド通信向けの半導体製品メーカーBroadcomが25位、Teslaが31位、Facebookが36位、Alibaba(阿里巴巴集団)が39位、JD.comが47位だった。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)