昨日の海外時間には、トルコ・リラはやや安定を取り戻したものの、南ア・ランド、メキシコ・ペソ、ロシア・ルーブルなどの新興国通貨が売られる中、各国株価が全面安となったことからリスク回避の動きが強まって円が独歩高となりました。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

昨日の海外市場では、トルコ・リラは相変わらずボラティリティが高い状態が続いていながらも、問題のアメリカ人牧師の解放請求が裁判所で棄却されたにも拘わらずリラ売りにはなりませんでした。しかし南ア・ランド、メキシコ・ペソ、ポーランド・ズロチ、ロシア・ルーブルなどが比較的大きく売られる中、各国株価が全面安となったことから、リスク回避の動きが強まって、米長期金利が低下、為替市場では円が独歩高となりました。

アメリカとの対立というトルコの個別要因から始まった新興国通貨売りが、他の通貨にもひろがって、世界的な株安という流れにつながれば、為替市場では円買いにが強まる流れとなることが自然な動きと考えられますので、今後もドル円、クロス円とも上値の重い展開が予想できます。

再びドル売りポジション

一昨日の海外時間からの流れで、ドル円の短期チャートではいわゆるヘッド・アンド・ショルダーズと呼ばれる反転パターンが形成されました。ネック・ラインと呼ばれるサポート・ラインをロンドン時間に割り込んだので111.20円でドル売り円買いのポジションを作りました。損切りラインを高値抜けの111.45円において110円付近もしくは110円割れでの利食いを目指します。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、トルコ裁判所が米国人牧師の解放請求を棄却したことからやや円買いが優勢となる中、欧州株と日経平均先物が下落、米長期金利が低下したことからドル円は110.90円台まで、ユーロ円は125.50円付近まで下落しました。またこの間南ア・ランドが売られました。

NY時間にはいっても各国株価下落、米長期金利低下、円買いの流れが続き、ドル円は110.40円台まで、ユーロ円は124.80円台まで下落幅を拡大しました。その後株価の下落と米長期金利の低下が止まって、やや反発すると円買いも止まり、ドル円は110.70円台まで反発し、ユーロドルが1.1300付近から1.1350台まで上昇したこともあってユーロ円は125.70円付近まで上昇しました。

今日の予定

今日の海外時間には、英・7月小売売上高指数、ユーロ圏・6月貿易収支、米・8月フィラデルフィア連銀景況指数、米・7月住宅着工件数/建設許可件数、米・新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp