大阪は大変なことになっていますが自然の力のすごさを改めて思い知らされます。東京でも電車が止まったりと大変でしたが、株式市場は逆に大きな波乱もなく「嵐の前の静けさ」という感じです。米国を中心とした貿易摩擦懸念などが根強いなかで特に大きく振らされるということもありませんが、「まだはもうなり、もうはまだなり」ということでそろそろ動きも出てくるのではないかと思います。
トルコリラがどうしたといっているうちに新興国通貨の下落が止まらず、影響も懸念されるようになっています。懸念材料が多いわりには足元の企業業績などが好調ということで米国でも日本でも株価はしっかりとしているという感じです。ただ、割安かどうかということで見ると買われ過ぎているものがあることは事実で、買われ過ぎているものが買い戻し一巡から調整となった時に割安銘柄が買われるのかどうかが注目されるところです。貿易摩擦懸念などがあるうちは割安でも買えないということなると、今度は指数だけが調整するということもあるのかもしれません。
本日の投資戦略
新興国通貨の下落などが取りざたされるかどうかというところです。直接的には影響はないのでしょうが、それでなくても米国を中心とした貿易摩擦懸念が根強いなかでの通貨安となると世界的な景気不安、金融不安を煽るような取り上げ方をされるかもしれません。そうなると、単純に「不安」から買えないということになりそうです。
日本株が割安という見方も強いので相場全体としては底堅さも見られるのでしょうが、日経平均が上昇している要因も、米国株が上昇している要因も多分に、空売りが多い銘柄が指数を押し上げているという面もあり、空売りが一巡となったところからの調整が気になるところです。改めてここからはPER(株価収益率)などの低い銘柄などに注目しても良いのではないかと思います。
引き続き売られ過ぎ銘柄に注目です。極洋(1301)も底入れとなったかどうかというところでもあり、同じように底値圏にあるABCマート(2670)やニトリ(9843)の小売り銘柄、そして高島屋(8233)などの百貨店株にも注目です。台風の影響が懸念されるかもしれませんが、一過性だと思います。
ニトリ(9834)は逆三尊底のような形、二番底を確認してのもどりを試す動きになるかどうかというところです。雲や75日移動平均線、そして「ネックライン」に上値を押さえられそうですが、逆にここを抜けると底入れとなるものと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。