【目次】
①プリントネットIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【10/04更新】 ※有料会員限定(一部)
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【10/2更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- プリントネット株式会社
- コード
- 7805
- 市場
- JASDAQスタンダード
- 業種
- その他製品
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 小田原 洋一 /1965年生
- 本店所在地
- 鹿児島県鹿児島市城南町10番7号
(東京本社:東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 新東京ビル7階) - 設立年
- 1987年
- 従業員数
- 230人 (2018/08/31現在)(平均33.7歳、年収401万円)
- 事業内容
- インターネットを用いた印刷物の受注販売
- URL
- https://odahara.jp/
- 株主数
- 36人 (目論見書より)
- 資本金
- 178,162,000円 (2018/09/11現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,220,400株(別に潜在株式67,500株)
- 公開株数
- 1,846,100株(公募750,000株、売り出し856,100株、オーバーアロットメント240,000株)
- 調達資金使途
- 関東工場の設備投資資金
- 連結会社
- 0社
- スケジュール
- 仮条件決定:2018/09/27→1,360~1,400円に決定
- ブックビルディング期間:2018/10/01 - 10/05
- 公開価格決定:2018/10/09→1,400円に決定
- 申込期間:2018/10/10 - 10/15
- 払込期日:2018/10/17
- 上場日:2018/10/18→初値2,041円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:岡三証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:SBI証券
- 引受証券:マネックス証券
- 大株主
- PNコーポレーション(株) 2,000,000株 44.07%
- 小田原 洋一 1,498,200株 33.02%
- 森田 樹里 200,000株 4.41%
- 大日本商事(株) 80,000株 1.76%
- ラクスル(株) 40,000株 0.88%
- 日本アグフア・ゲバルト(株) 40,000株 0.88%
- 富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ(株) 40,000株 0.88%
- (株)アイカ 40,000株 0.88%
- (株)桂紙業 40,000株 0.88%
- (株)紙藤原 40,000株 0.88%
- 日商岩井紙パルプ(株) 40,000株 0.88%
- (株)T&K TOKA 40,000株 0.88%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2016/10 単独実績 5,858 556 523 386
- 2017/10 単独実績 6,848 649 657 408
- 2018/07 単独3Q累計実績 5,495 655 658 429
- ロックアップ情報
- 小田原洋一、PNコーポレーション株式会社は上場後180日目の平成31年4月15日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 25億8454万0000円(1,846,100株×1,400円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 67,500株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
プリントネット<7805>は、インターネットを利用した印刷物の受注販売を行う会社である。同社は1987年創業の印刷会社であるが、2005年にインターネットによる印刷物及び印刷資材の通信販売(ネット印刷通信販売事業)を開始した。急激な市場縮小に見舞われる国内商用印刷市場の中、ネット印刷通信販売市場が拡大しており、同社も成長を果たしている。
■ネット印刷通信販売事業の事業詳細
従来の印刷会社は、顧客から注文依頼があった後に依頼内容に基づき企画提案を行い、顧客との打ち合わせを行いながら、印刷物の内容を決定する。印刷の前段階のすり合わせプロセスが重視され、企画から最終的な印刷物の仕上がり具合まで、顧客と印刷会社との打ち合わせが重要視されている。
一方で同社の手掛けるネット印刷通信販売事業は、顧客側が印刷データを作成し、同社は印刷用の完成データを受領し、その後に印刷工程に入る。顧客は印刷物の内容を自らで全て決定する必要があるものの、印刷の前段階の印刷会社とのすり合わせプロセスを大幅に削減することができる。
同社としても仕上がり具合等の、印刷部分の業務に注力することが可能である。
インターネットの普及及び印刷ソフトの高度化により、顧客側で印刷物のデータ作成が以前に比べると遥かに容易になっている。また簡単な印刷物であれば(ex.名刺)、インターネット上でデータ作成から印刷物の完成、発注まで人手を介さずに完結する事ができる。
同社は「プリントネット」及び「プリントプロ」の2種類のWebサイトから顧客の注文を受注している。また業務提携先であり同業のラクスル<4384>から印刷及び配達業務の受託を受けている。尚、ラクスル向けの売上は2017年10月期12億円と、売上の約20%を占める状態である。
■具体的な印刷物
同社の手掛ける印刷物は具体的には下記となる。
・パンフレット
・フリーペーパー
・チラシ(新聞の折り込みチラシ含む)
・社名入り封筒
・うちわ
・選挙ポスター
・カレンダー
幅広い商品ラインナップを揃えており、個人から法人ユースまで幅広い印刷ニーズに応えることが可能である。
■国内の印刷市場について
少子高齢化による人口減少社会到来に加えインターネットの普及による印刷物需要の減少を背景に、国内の商業印刷市場は既に縮小が始まっている。
縮小しつつあるとは言え、2.5兆円を誇る巨大な市場を誇る商業印刷市場であるが、直近の5年で1000億円以上の市場縮小している。中小企業の多い印刷業会社にとって、1000億円以上の市場縮小のインパクトは決して小さくはない。
一方でインターネット普及を背景に、データ作成は顧客が自ら行いインターネットを経由して印刷物を作成する、インターネット印刷通販市場は着実な伸びを見せている。
2017年の市場規模は810億円と、巨大な商業印刷市場に比べればわずかな市場規模であるが、縮小が続く国内印刷市場の中では数少ない成長市場となっている。
同社は着実な市場拡大が続くインターネット印刷通販市場向けに、2005年からビジネス展開を行っており、市場の成長とともに事業の成長を果たしている。
■業績推移
2015年10月期 売上高48億円、経常利益2.6億円、当期純利益2.0億円
2016年10月期 売上高59億円、経常利益5.2億円、当期純利益3.9億円
2017年10月期 売上高68億円、経常利益6.6億円、当期純利益4.1億円
2018年10月期(予想) 売上高74億円、経常利益7.3億円、当期純利益4.8億円
派手さはないものの、毎期着実な増収増益を果たしている。当期についても第3四半期時点で売上高55億円、経常利益6.6億円にまで進捗。既に経常利益・当期純利益は前期を上回る数字を達成しており、通期予想達成に向けて、事業は順調に進捗している。
■財務状況
2017年10月期末段階で総資産46億円に対し、純資産合計15億円であり自己資本比率32%。印刷業界は中小企業が多い中で、同社は比較的規模が大きく、また30%を超える自己資本比率を有しており健全な財務内容となっている。
■調達資金使途
同社はIPOにより約12億円の資金調達を行う計画。調達資金については2019年10月期に予定している、関東工場の設備投資資金に充当する予定である。
尚、IPOに際し創業者一族保有の株式について、11億円分の売出も行う計画である。
■今後の注目ポイント