再び夏のような暑さになって「夕立」もすごい状況でしたが、「暑さ寒さも彼岸まで」となるのでしょうか。株式市場は米国株の上昇にも陰りも見えており、貿易摩擦懸念などから世界的に冴えない展開となっています。中国株が安値を更新するなど世界の株価の動きを見ているとひと相場終わった感もあります。ただ、日本市場では日経平均が節目と見られる23,000円水準を抜けて来ており、独歩高という印象です。
日本も米国の貿易圧力を受けそうな気配で本来であれば「買えない」ということなのでしょうが、貿易摩擦など関係ないというように堅調な地合いとなっています。足元の株式の需給、つまりから売りが積み上がっているものが見られるということでは昨年と全く同じ状況で、ここから昨年10月のような上昇も期待されます。ただ、一方で昨年とは業績の上振れに対する期待がなく、逆に懸念も強いということです。懸念が強いだけに空売りが積み上がり易いとも言えるのですが、ここからの日経平均に影響の大きな銘柄の空売りの状況で動きが変わりそうです。逆に日経平均VIなどが高くなると一気に調整ということもあるかもしれません。
本日の投資戦略
昨年から見られた「連休明け高」アノマリーが見られそうですが、あくまでも目先の需給だけということで、買い戻しが一巡となる、あるいはそもそも買い戻しが入らないとなると一転して売られることになりそうです。中国株が大きく下落、米国でもナスダック指数は大幅安となっており、為替も円高気味ということで日本株が買われる理由もないということになりそうです。
米アップルが貿易摩擦懸念で売られましたが、日本企業も自動車株の一角以外は貿易摩擦懸念があまり取りざたされていないような感じですが、ここからは貿易摩擦懸念の影響ということも大きく取りざたされてきそうです。日経平均に影響の大きな銘柄の需給要因だけで日経平均の値持ちが良いという状況となっているのですが、昨年とは違い業績面での後押しがない分、下落に転じやすく上値も重いということになるのでしょう。
需給要因だけを見るとちょうど1年前と同じ状況ですが、業績面が取りざたされるのではないかと思います。目先の材料よりもやはりここは好業績銘柄で売られ過ぎているものに注目ということで良いのだと思います。売られ過ぎた銘柄の中で、先週末に底堅さが見られた銘柄の戻りに期待です。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
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