今月は雨ばかりで何となく気分も冴えないですが、株式市場は堅調な地合いが続いています。特に何に反応するということでもなく、懸念材料も多いなかで指数だけはしっかりとしているということで、昨年と全く同じような雰囲気になっています。ただ、昨年は北朝鮮問題などが取りざたされていたなかで上方修正が相次いだということでしたが、今年は北朝鮮問題よりも直接的に企業業績に関わりそうな貿易摩擦問題が取りざたされており楽観的な上方修正はまず見られないと思います。
そうなると現状の堅調な相場展開は目先の需給要因で押し上げられている面もが強いということなのでしょう。売られ過ぎの修正が行われているうちは良いのですが、買われ過ぎ銘柄も売られており、この流れが一巡となった後にさらに買われるものが出てくるのかどうかということになりそうです。買われ過ぎ銘柄が大きく下落すると売られ過ぎ銘柄の買い戻し一巡後に調整となるということなのだと思います。
本日の投資戦略
昨日は「連休明け高アノマリー」が見られましたが、さすがに本日は「配当落ち」を埋めるというわけにはいかなそうです。昨日はディフェンシブ銘柄などに堅調なものが多く指数を押し上げた感じでしたが、米国株も上値が重くなっていることや貿易摩擦問題がいよいよ日本でも直接的に取りざたされていることなどを考えると上値も限られそうです。
逆にここで一気に24,000円を超えてくるようであれば今年の1月のパターンではなく、昨年10月のパターンで上値が期待されることになるのでしょう。懸念材料も多いことなどを考えると今年の1月型と考えてもよさそうで、過度な楽観は禁物ということだと思います。
引き続き出遅れ銘柄を探すということで良いと思います。引き続き食品株に注目ですが、戻りを試す動きになっているものが多く、不動産株にも注目です。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。