住宅ローンは借り換えすることで総返済額を減らすことが可能だ。借り換えとは住宅ローンの借入先を変更することであり、より低金利の住宅ローンへの変更により利息負担額を減らすことができる。しかし借り換えが必ずしも得になるとは限らない。住宅ローン借り換えのポイントを押さえ、お得な借り換えをしたい。

ポイント1 借り換えの効果を確認する

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(画像=K321/Shutterstock.com)

住宅ローン借り換えにより総返済額が減るのは大きなメリットである。ではそのメリットからどのような効果を得ることができるのか。効果は大きく分けて2つあり、「毎月の返済額軽減」または「返済期間の短縮」である。

毎月の返済額軽減は、継続的に出費が増える場合や収入が減る場合に有効である。例えば、子供が私立の学校へ進学して教育費が増える場合や、毎月の残業代が減る場合など、月々の住宅ローンの返済額が減れば家計が楽になる。

返済期間の短縮は、住宅ローンを早めに返済して将来自由になるお金を増やしたい場合に有効である。例えば、将来の子供の大学進学資金を増やすことや、老後に自由に使えるお金を増やしたい場合などである。

ポイント2 借り換えには諸費用が必要である

金利が低い住宅ローンへ借り換えることで利息負担額が減るが、借り換えには諸費用が必要となることに気をつけたい。利息負担額の減額分よりも諸費用の方が高ければ、借り換えが逆効果となってしまう。

諸費用の金額や内訳は金融機関により異なるが、保証料、事務手数料、登記費用などが必要となる。さらに諸費用の金額は借入残高などにより大きく異なってくる。参考として、三井住友銀行の「お借り換え試算シミュレーション」にて諸費用の金額を確認すると、借入残高2,000万円、残りの返済期間20年で50万円強の金額になった。

利息負担額の減額分と諸費用の金額を確認するには、金融機関がウェブサイトなどで提供している借り換えシミュレーションを利用するといいだろう。

ポイント3 借り換えにも審査がある

住宅ローンの借り換えにも、新規で住宅ローンを申し込むのと同様に審査がある。例えば、住宅ローンを組んだ後の転職で勤続年数が少なくなった場合や、会社の業績悪化などで収入が減った場合などは、審査ではマイナス評価となる。

住宅ローン以外のローンやキャッシング、リボ払いなども借り換えの審査に影響することがある。借り換えを申し込む前に、できればこれらの返済を終えておきたい。

借り換えの審査にて新規の審査と異なるのが、現在の土地と住宅が担保評価されることである。住宅評価額の低下により審査が通らない可能性があることを心得ておきたい。

ポイント4 金利だけでなく金利タイプも変えることができる

住宅ローン借り換えにて変動金利や固定金利などの金利タイプを変更することが可能だ。

変動金利から固定金利へ切り替えることで金利上昇リスクの対策になる。10年や20年などの長期固定金利にも切り替えることができる。近年の低金利状態により、長期固定金利でも1パーセント台の金利で借り換えできるケースもある。

ポイント5 団信(団体信用生命保険)の補償も変えることができる

最近の団信には、がんの診断が確定された場合や生活習慣病で長期入院した場合などの保障が充実しているものがある。通常は住宅ローン返済中に団信を変更することはできないが、住宅ローン借り換えなら団信の保障を充実させることが可能となる。

ここまで住宅ローン借り換えの5つのポイントを紹介してきた。住宅ローン借り換えは、住宅ローン残額が多く、残りの返済年が長い方が効果は大きい。それは利息負担額の減額分が大きくなるからである。借り換えするなら早めに行動することをおすすめしたい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)/MONEY TIMES

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