今朝は朝から霧雨が降って、秋らしいといえば秋らしいのですが、何となくすっきりとしない天気です。株式市場も米国株が大きく下落、為替も円高ということで3連休を控えて波乱相場となりそうです。今年の2月相場との類似も言われ始めましたが、ここ数年の株式相場は米国の金利で大きく動くということも多いと思います。加えて目先の需給要因、信用取引の売りの残高が相場を大きく動かすようなことも多くなっており、これまで朝の放送などで指摘してきたように引き続き、空売りの残高には注意ということです。

こういう状況になってくるとまた、米VIX指数がどうしたこうしたという話も出てきそうですが、VIX指数はVIX指数が上昇したから株が売られるのではなく、株が大きく売られるとVIX指数が上昇するという面もあるということはしっかりと覚えておく必要もあるでしょう。ただ、米国金利の上昇が「米国売りに」につながって、世界的な混乱が始まるということもあるのですから、ここは慎重にVIX指数の急騰には対処していく必要があるということでしょう。弱気になったとしても無理に売り急ぐということでもなく、空売りが増えてくるかどうかもしっかりとみると良いと思います。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

久しぶりに米国の大きな下落を見た感じです。それでもダウ平均は案外底堅いという感じですが、雇用統計次第ということなのでしょう。雇用統計もここまで「非農業分門の従事者数」などが重要視されていましたが、ここはやはり「賃金コスト」が意識されると思います。賃金が上昇しているようであれば、金利の上昇につながるということでさらに金利上昇の影響を懸念する動きが強まるでしょう。

ここ数年の「大暴落」にしても「大暴騰」にしても米国金利の影響が一番大きく、「○○ショック」とか「○○相場」といわれるものでも米国の金利の影響が大きいのですから、ここまで大きく上昇した相場が崩れるとすれば、金利上昇ということになるのでしょう。日本では米国の金利が上昇しているときに為替が円安になればいいのですが、円高になるようであれば「米国売り」ということになり、日本の株式市場や債券市場などへの影響も大きくなりそうです。

3連休を控えての手仕舞い売りも嵩んできそうです。こうしたときは何も無理をせず、買いた銘柄がしっかりと買い場になるのを待つということで良いと思います。本当に気を付けなければいけないのは「下落の始まり」を「押し目」と勘違いしてしまうことです。慎重に下げ渋ってはいるのですが、まだ上昇していない銘柄などを探すということで良いのだと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。