(本記事は、菅下清廣氏の著書『絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法』講談社、2018年8月8日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

外出先で急に雨が降り出した!あなたなら?

絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法
(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

傘を買うのはもったいないから、走って目的地へ向かう
or
雨に打たれて風邪をひかないよう、コンビニで傘を買う

【ワンポイントレッスン】

風邪を引くのは「運が落ちる第一歩」

「やばい!雨降ってきたよ……!」

先ほどまであんなに晴れていたのに、目的地の最寄り駅で降りた途端、雨が降り出しました。止む気配はなく、ともすると土砂降りになりかねない勢いです。

こうしたシチュエーションに出会ったらあなたはどうしますか?

歩いて数分の目的地へ行くためだけに、傘を買うなんてもったいない、走れば大丈夫と雨のなかへ飛び出していく人。

近くのコンビニに駆け込んで500円のビニール傘を買う人。どちらのパターンもあり得ると思います。

私なら迷わず、傘を買います。目的地まで歩いて5分以上かかるならタクシーを拾うかもしれません。

雨にぬれると風邪をひいてしまう危険性があるからです。

たしかに、傘を買わずに走っていけば500円の支出を抑えることができます。ただ、それと引き換えに風邪をひいてしまっては元も子もありません。

風邪で会社を欠勤すれば、取れるはずだった成約まで落としてしまう。その結果、人事考課の点数が下がり、ボーナスにまで悪影響を及ぼすかもしれないのです。

無理を押して出勤すれば、成約は取れるかもしれません。

しかし、ゴホゴホと咳をしているあなたには誰も近づきたがらないでしょう。だいたい、そのような状態で訪ねられてはクライアントも迷惑です。

健康管理のできないあなたに、上司も以降は重要な仕事を任せるはずがありません。

風邪をひいてしまったら、どちらにしてもあなたの評価は下がり、結果的に給料も増えることはないのです。

そんな大げさな、と思いますか?

そう考える人は、「死ぬまで安月給で働く人生」確定です。それでもいいなら、どうぞ小銭をケチってください。

●ドタキャンは相手への気遣い

私に言わせれば、風邪をひくのは「運が落ちる第一歩」です。

「風邪は万病のもと」ということわざがあります。

風邪からさまざまな病気につながることもあるから、風邪を軽く見てはいけないという意味です。

私はこの言葉を「風邪で運気が落ちて、結果的にお金持ちから遠ざかってしまうから、風邪を甘く見てはいけない」と解釈しています。

このくらい考えなければ、お金持ちになるのは永遠に無理です。

もちろん、健康ならお金持ちになれるわけではありません。知的水準を高めるのも大事です。

私がかつて身を置いたウォール街はその典型で、「知力が富を生む世界」でした。頭の切れない人間は生きていくことすらできません。

ただし、その知力を養うためのベースはあくまで「健康」であることを肝に銘じてください。

健康でなければ、どんなに本を読んで勉強したところで頭に入っていきません。

小銭を無視しなさい、というつもりは毛頭ありません。しかし、小銭を貯める行動を、健康より優先するのは大間違いです。

健康管理に留意した上で、知的水準を高めたり、人脈を広げたりすることのほうが、小銭を貯めるより何倍も大事なのです。

私は風邪をひいて咳を繰り返している人が近づいてきたら、ミーティングに参加しないようお願いします。

万が一、注意していたにもかかわらず自分が風邪をひいてしまったら、決まっていたアポイントは全部キャンセルします。

どんなに重要な相手でも、無理を押して会食に行くことはありません。

「ドタキャン」するなんて失礼ではないか?そんなことはまったくありません。むしろ逆です。

この場合のドタキャンは、相手への気遣いなのです。「あなたに風邪をうつしてはいけないので、今回の会食はキャンセルさせていただきたい」。

そう説明すれば、むしろ「自分のことを気遣ってくれている」と信頼してもらえるでしょう。

思考回路が「小銭主義」の人は、ここで間違った選択肢を選びがちです。

めったに会えない方との会食だからこの機会を逃してはもったいない。相手に失礼だから断ってはいけない。そんなふうに考えてしまいます。

このような考え方は「小銭を貯めることを優先する」のと同じです。

しかし、小銭はいくら貯めても小銭です。お金持ちにはなれません。

それどころか、目先の小銭に気を取られ、大きなお金を得るチャンスを見逃しているのです。目の前に落ちている小銭より、後々の大きな果実を手にするほうがお金持ちに近づけるのです。

お金持ちになるためにがんばりたい!あなたなら?

勉強をがんばっていい大学を卒業し、有名企業に就職する
or
要は頭の使い方次第。学校の成績や就職先は関係ない

【ワンポイントレッスン】

何事もやってみる!

お金持ちには2つのタイプがあります。

実家がお金持ちで、二代目、三代目を継いでいる人。もう一つはゼロから資産を形成し、お金持ちになった人です。

そして、どちらのお金持ちにも共通することがあります。何だと思いますか?

それは「頭がいい」ということです。

ただし、ここで言う「頭の良さ」は、学校の成績がいいとか、大卒であるとか、そんなことではありません。だいたい、お金儲けの仕方は世界中どこの学校でも教えてはくれません。

「頭がいい」を説明するために、ここで私の父親の話をさせてください。

かなり昔の話です。

私の父は大卒のインテリで、卒業後は当時の花形軍需企業に就職しました。

しかし、第二次世界大戦の敗戦によってその会社は倒産。父は仕方なく和歌山の実家に戻り、祖父の経営していた家業を引き継ぎました。

ところが家業には向いていなくて、事業に行き詰まり、最終的には夜逃げ同然で母の実家の近くに引っ越しせざるを得ませんでした。

父の例を見ても、学校の成績と成功、もっと言えばお金持ちになれるかどうかは直接結びつくものではないとわかります。

父は勉強ができるという意味では頭が良かったのかもしれませんが、お金持ちにはなれませんでした。お金持ちになるには、それとは性質の違う頭の良さが必要です。

では、お金持ちになるための「頭の良さ」とはどんなものでしょうか?

この問いにヒントを与えてくれるのは、世界三大投資家と呼ばれる人たち(ジム・ロジャーズ、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス)の生き方です。

3人はいずれも中産階級以下の出身です。

ほとんど資産ゼロの状態から始まって、今では一生どころか「三生」かけても使い切れないほどの資産を手にしています。

●要は頭の使い方次第

私は彼らの伝記を何度も読み込みました。それでわかったのです。

彼らは、お金儲けを「体験」を通じて学んできたのだと。それは若いときの職業体験の場合もあれば、誰かの言葉や書物から「ハウツーメイクマネー」を学び取る場合もある。

いずれにしても、体験から自らのハウツーメイクマネーの方法を編み出しているのです。

もっともわかりやすいのが、アメリカ人の大投資家、ジム・ロジャーズの生き方です。

彼は若い頃、ウォール街でアナリストの下働きをしていました。そこでの経験から学びを得て独自の投資理論を編み出し、今や世界的にその名を知られる投資家となったのです。

要は、お金持ちになれるかどうかは「頭の使い方次第」ということです。

ロジャーズと同時期に似た境遇にあり、同じような仕事をしていた人は大勢いますが、彼ほどの資産家になれた人はいないからです。

お金持ちになれる人は、経験を積み、あらゆることから学びを得ることができる。それが「頭の良さ」なのです。

本気で頭を使った人だけが、頂上に登りつめることができるのです。

そう言えば、MLGSI(メリルリンチのアメリカ国債を専門に取引する部門)で私の教育係だった「ポール・ニューマン」氏がおもしろいことを言っていました。

「ミスタースガシタ、われわれの商売はここを売るのだ」。

そう言って、自分の頭を指差したのです。

ウォール街で働くには金融、経済の勉強だけでなく、歴史、地理、哲学、世界情勢など、あらゆる分野に精通していなければ生き残れません。

なぜなら私たちが相手にするのは、アメリカ社会の中でもっとも知的水準の高い富裕層だったからです。

「私はスタンフォードを出ているが、ウォール街での勉強に比べればスタンフォードなどキンダーガーデン(幼稚園)」とも彼は言っていました。

お金を稼ぐのはお遊びではできません。死ぬほど頭を使わなければできないのです。

絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法
菅下清廣(すがした・きよひろ)
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、国際金融コンサルタント、投資家、学校法人立命館顧問、近畿大学世界経済研究所客員教授。メリルリンチをはじめとする名門金融機関で活躍後、現職。著書に『ウォールストリート式年収1億円の条件』(フォレスト出版)、『今こそ「お金の教養」を身につけなさい稼ぎ、貯め、殖やす人の“37のルール”』(PHPビジネス新書)、『資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!』シリーズ(実務教育出版)、『知らないと損をする!株高時代の「お金の教養」』(KADOKAWA)など多数。
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