(本記事は、菅下清廣氏の著書『絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法』講談社、2018年8月8日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

ビジネスランチが約束の1時間超でも大盛り上がり!あなたなら?

絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法
(画像=Nejron Photo/Shutterstock.com)

せっかく盛り上がったのだから、そのまま続ける
or
約束の1時間が経ったので切り上げる

【ワンポイントレッスン】

消費された時間は二度と取り返せない

ここ20年間、私がほぼ毎日続けていることがあります。「ビジネス会食」です。

かつては、ビジネス上の飲み食いといえば「アフターファイブ」と相場が決まっていました。ところが最近はディナーだけでなく、ランチも重要な打ち合わせの場となっています。

私も平日はほぼすべての昼食を、仕事関係の方とのビジネスランチにあてています。

ビジネスランチには2つのメリットがあります。1つめは、セッティングが楽ということ。

ビジネスディナーの場合、お店のセッティングにかなりの気を遣いますが、ランチであれば気軽に使えるリーズナブルなお店で十分です。

2つめのメリットは、招く側も参加する側も気を遣わないことです。

アルコールが入る可能性がほとんどないため、主催者側は相手がお酒に強いか弱いかを気にする必要はありませんし、招かれる側も気兼ねなく参加できます。

ただし、一つだけ注意してほしいことがあります。

それは、昼であろうと夜であろうと、「終了時刻」を必ず決めること。そして一度決めたら、必ずそれを守ることです。絶対に例外をつくってはいけません。

終了時刻を過ぎたら、たとえ盛り上がっていてもためらわず席を立ちます。この姿勢はビジネス会食を有意義なものにするために不可欠なことなのです。

決めた時間で席を立つのは、ひとえに時間を無駄にしないためです。私はビジネスランチなら1時間、ビジネスディナーなら2時間で必ずお開きにすると決めています。

最初から時間を決めておけば、前置きなしに本題に入っても失礼にはなりません。そうすると、おのずと不必要な世間話や無駄話がなくなり、結果的に短時間でも有意義な時間が過ごせるというわけです。

どんなに複雑なテーマでも、1~2時間あれば結論を出すことは可能です。

それ以上の時間をかけても終わらないのは、打ち合わせのテーマがはっきりしていないからか、理解力のない「会う価値なし」の相手だからです。

●遅れてくる人を待たない

終了時刻を決めると短時間で有意義な話ができるだけでなく、会食後の時間を有効活用することもできます。

終わってから別の打ち合わせを入れてもいいですし、まっすぐ帰宅して休養を取るのもいいでしょう。要するに、一分一秒を大切にする感覚を持つのです。

飲み食いするとはいえ、そもそもビジネス会食は「仕事のため」のもの。仕事は早く終わったほうがいいに決まっています。

仕事はさっさと終え、空いた時間を自分の好きなことにあてたほうがよほど有意義だと思いませんか?

ところが日本では、なぜか終了時刻を決めることがほとんどない。ビジネス会食ばかりでなく、会議でも打ち合わせでも同様です。

会食も会議も打ち合わせも、時間をかければかけるほどいい結果が出るというものではないことは、みなさん、すでにおわかりのはず。

それどころか、ダラダラとした進行で時間だけ長い会議や打ち合わせで何も決まらないことさえあります。終わりが決まっていないから、参加者が集中しないのです。

日本の企業の生産性が欧米に比べて低いことも、ここに理由があるのではないかと私は思っています。

私が主催するビジネスランチは12時スタート、13時終了で1時間と決めています。

ビジネスディナーは19時スタートなら21時にお開きで2時間。18時30分スタートなら20時30分に終えるようにしています。

私の利用するお店はこの点を心得ていますから、決めた時刻にきっちりと食事が終わるように取り計らってくれます。

21時終了なら20時45分にはデザートを出すように、あらかじめ指示しています。

私の主催する会食に遅れてきた人は、原則として遅れてきた時点からの料理しか食べられません。遅れてきた人を待ったり、遅れてきた人のために料理を出すスピードを遅めたりはしません。

そして食べられる品数は減っても会費は変わりません。遅れてくるのはその人の責任だからです。

私が招待される場合であっても、このランチ1時間、ディナー2時間のルールは同じです。例外は設けない。マイルールを貫きます。

ビジネスランチなら、1時間を超えてまだ話が続いていても、どんなに盛り上がっていても、「私はここで失礼します」と席を立ちます。

「菅下さん、いつもお忙しいですね」と、皮肉っぽく言う方もいらっしゃいます。

そのときは「マイルールでランチは1時間と決めているんです」と伝えれば、たいていの方には納得していただけます。

なかには妙な表情をする人もいらっしゃいますが、これはもう仕方がありません。

●一度決めたら守り続ける

マイルールは一度破ると癖になります。一度決めたら、とにかく守り続けることが肝要です。

その場の都合で変えてしまうと、予定していた行動ができなくなってしまいます。決めたことはどんな場合であっても例外をつくらず、実行し続けます。

なぜなら、成功する人とそうでない人を分けるポイントの一つが、「セルフコントロール」だからです。

これは、お金持ちになれるかどうかにも関わってきます。自己管理できない人は成功できないし、お金持ちにもなれない。私はそう考えています。

19時スタートだったのに21時を過ぎても店に居続けたり、周りに誘われるがまま二次会へ行って朝まで飲んだりするのは、セルフコントロールがまるでできていない証拠です。

「お客さんから誘われたから」「しつこく言われて断れなかったから」など、言い訳はいくらでもできるでしょう。

しかし、そのために翌朝遅刻して、お客様とのアポイントに遅れたのでは、何のためのビジネスディナーかわかりません。

とはいえ、たしかに中座しづらいケースはあるでしょう。特に若手だと、なかなか目上の人を置いて自分だけ抜け出すなんてできない、と思うかもしれません。その気持ちもわからないではない。

そんなときは、こうします。

ビジネス会食が入ったら、事前に主催者に終了予定時刻を確認するのです。ランチなら1時間、ディナーなら2時間。

それを超えて予定しているようならこう伝えます。

「申し訳ございません。私はその後、別の予定が入っているため、中座させていただきます」。

そう言って、事前に途中退出の了解を得ておけば、何の問題もなく中座できます。

ディナーの途中で席を立てば、メインディッシュを食べられないこともあるでしょう。それをもったいないと思うのなら、入店時に支配人に料理の進行についてお願いしておけばいいだけです。

「私は21時には店を出ないといけないので、それに合わせて早めに料理を出していただけませんか?」と。

これは決して失礼なことではありません。

初めての店を使う場合は、事前にお願いしたにもかかわらず、時間どおりに料理が出てこないことも考えられます。

そんなときはどうしますか?

もうわかりますね。全部の料理を食べ終えてなくとも店を出るのです。

21時を過ぎてからメインディッシュを食べるような生活をしていると、食事がすべて終わるのは22時を確実に過ぎます。

これは時間を無駄にするだけでなく、健康管理の観点からも感心できません。そして、その店を二度とビジネス会食で使わないようにするのは、言うまでもありません。

つまりビジネスディナーといえども3~4時間かかるような店は選ばないことです。日々の時間の管理こそ、お金持ちへの扉です。

絶対大金持ちになる 死ぬまで働かされる人生からの脱出法
菅下清廣(すがした・きよひろ)
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役、国際金融コンサルタント、投資家、学校法人立命館顧問、近畿大学世界経済研究所客員教授。メリルリンチをはじめとする名門金融機関で活躍後、現職。著書に『ウォールストリート式年収1億円の条件』(フォレスト出版)、『今こそ「お金の教養」を身につけなさい稼ぎ、貯め、殖やす人の“37のルール”』(PHPビジネス新書)、『資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!』シリーズ(実務教育出版)、『知らないと損をする!株高時代の「お金の教養」』(KADOKAWA)など多数。
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