(本記事は、田口智隆氏の著書『1億円の法則 古今東西の大富豪に学んだお金の真実』冬至書房、2018年10月10日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

「一生絶えない収入の流れ」をつくる

1億円の法則 古今東西の大富豪に学んだお金の真実
(画像=Kotin/Shutterstock.com)

私がまだ借金を完済したばかりで、IPOも中国株もまったく知らなかったころの話だ。

当時は「次の目標は『ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)』しかない」と確信したものの、まだ貯金といえるものはほとんどなかった。

「仕事を辞めても毎月の支出をまかなえるだけの資産を持つ」なんて、とうてい無理なことのようにも思えた。

どうしたら、少しでも効率よくお金を増やすことができるのだろう──。

そんな悩みを抱えていたときに出会ったのが、『ロバート・アレンの実践!億万長者入門ー生涯続く「無限の富」を得る方法』(ロバート・G・アレン著、今泉敦子訳、神田昌典訳、フォレスト出版)だった。

ここでは「一生続く複数の収入の流れ」の構築法を伝授している。

「自分の財務状態をコントロールする方法」「家にいながら1日1000ドル稼ぐ方法」など、その内容は、『金持ち父さん貧乏父さん─アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(ロバート・キヨサキ著、白根美保子訳、筑摩書房)の著者であるロバート・キヨサキ氏をして「ロバート・アレンの能力には敬服する」と言わしめているほどだ。

その本には、こんな言葉が書かれていた。

収入の流れはすべて同じではありません。ある流れは「それきり型」で、またある流れは「一生型」です。

「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」を果たすためには、「それきり型」ではなく、「一生型」の収入を得なくてはいけない、というのだ。

「それきり型」というのは、いわゆる会社などで得られる給与収入のこと。1ヶ月働いたぶんの成果が、翌月に給与として振り込まれる。

働いた一定の時間に対し、報酬は1度しか支払われない。言葉どおり、「それっきり」という収入だ。

「一生型」は、それとは大きく違う。

あるひとつの努力に対して、1度きりではなく、何度も何度も収入が得られる。

たとえば、本の印税。1度書くだけで、本が売れれば売れるだけ、生涯にわたって収入が得られる。

また、アイデア商品などを開発することで得られる特許権などもそうだろう。

印税などのクリエイティブな方法以外にも、「一生型」の収入を得る方法はちゃんとある。それこそがズバリさまざまな資産への「投資」である。

株を購入すれば、多くの企業は半年に1回、または1年に1回、株を買った人に「配当金」をくれる。株を保有することでインカム・ゲイン、つまり「配当収入」を得ることができる。

売却しない限り、それは生涯にわたっての収入になる。まさしく「一生型」の収入となるのだ。

株だけでなく、賃貸物件などの不動産など、収入を生み出す何らかの資産に投資することは、すべて「一生型」の収入へとつながっていく。

給与収入に頼らないためには、「一生型」の収入を生み出すことだ。

「お金の流れ」を複数つくる

お金の原則は「投資したものに対してリターンがある」ということだ。

「どれだけのお金を得ることができるか」は「どこにどれだけのお金を投資したか」にかかっている。あたりまえの話だ。

ふつうにサラリーマン生活を送り、ふつうに銀行にお金を預けていれば、大きなリターンは得られない。リターンがないどころか、老後もままならない。

一方で、あらゆるところから収入を得て、あらゆるところに投資をしていれば、あらゆるところからリターンが来る。

『ロバート・アレンの実践!億万長者入門』は、お金持ちになるためにはお金の流れを複数つくる必要がある、と教える。

たしかに、「一生型」の収入を得ることができたとしても、それがひとつだけなら、将来的に「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」を果たすことは非常に困難だろう。

一方、2つ、3つと収入源を増やしていけば、あたりまえのことだが、その増やした数だけ収入の流れは大きくなっていく。

同書にはこんな記述が出てくる。

この社会には、富を生み出す「3つの山」があります。〈中略〉
3つの山とは、
「投資マウンテン」「不動産マウンテン」「マーケティング・マウンテン」です。

投資、不動産、マーケティングという3つの山から自分の「富の貯水池」に収入を流れ込ませよう、という教えだ。

さて、私はどうだろうか? まずは「投資マウンテン」。

「IPO」では金額にすると年に1500万円前後、儲けていた。

ただ、「投資マウンテン」からつねに収入が流れ込んでくるようにするには「一生型」にしなければならない。その点で、IPOは「一生型」の収入にはあたらなかった。

一方「中国株」に関しては、長期保有しながら「一生型」の収入の流れをつくることで、何度も利益を得ることができた。ちなみに、中国株の収入は年に1000万円程度だった。

次に「不動産マウンテン」だが、まだそこまでは手が届かない。のちに不動産投資信託を始めることになる。

もうひとつの「マーケティング・マウンテン」。

簡単に言えば、ビジネスで儲ける、ということだ。

私は、保険代理店業をやりながらIPOや中国株に投資していたが、お金が流れ込んでくるような自分のビジネスは、まだ持っていなかった。

収入のルートはたくさんあったほうがいい。なにかビジネスができないか、模索することにした。

情報を売る

私は模索していた。

「自分のビジネスを始めるといっても、ハードルが高そうだな……」

でも、ノウハウなど情報を販売するような仕事なら、元手をかけずに始められそうだ。でも、私にそんな情報があるだろうか? あるぞ!今大きな利益を得ているIPOだ!

売買に関して、自分なりのノウハウも培ってきた。このノウハウを販売してみることを思いついた。

私は早速、メルマガでIPOの情報を発信してみることにした。

最初は自信がなかったため、とりあえず無料で配信してみた。

始めるとすぐに、驚くような反響があった。

当時はまだIPOの情報を発信する人が少なかったため、私のメルマガは一躍人気になったのだ。会員数は発行からわずか3ヵ月ほどで、3000人を超えた。

しかし、しょせんは購読料無料のメルマガ……。

どれだけ読者が増えたところで、私の収入が増えるわけではない。

「有料にすればよかったかなぁ……」。そんな後悔の念が私の頭をよぎる。

しかし、そんな無料のメルマガが、思わぬかたちで利益をもたらしてくれることになった。

評判を聞いた人々から、「ぜひIPO投資についてのノウハウを教えてほしい」と講演の依頼が舞い込むようになったのだ。

私はメルマガをきっかけに、IPOの講演で副収入を得られるようになった。年間にして約500万円もの収入になった。

投資での収入のほかに、起業というかたちで新しい収入を得ることに成功したのだ。

今ならメルマガ以外にもさまざまな発信ツールは存在する。

「ブログ」「フェイスブック」「ツイッター」「LINE@」、コンテンツに手軽に課金できる「note」というサービスもある。自分に合ったメディアを見つけてほしい。

私が言うまでもなく、今後のビジネスの成否はインターネットをいかにうまく利用して、「自分メディア」をつくれるかが分かれ目になるだろう。

自分のメディアを持ち、そこに「コミュニティ」を形成する。それが今後大きなビジネスの鍵になるはずだ。

不安定な時代、会社というコミュニティも不安定になりつつある今、会社や家族以外での「つながり」を求めている人は増えている。

そこで、さまざまなソーシャルメディアで、つながりを得るためのコミュニティづくりが盛り上がってきている。

自分の好きなことや得意なこと、専門分野に関するメディアがつくれないか? さらにそこにコミュニティを生み出すことができないか?

このコミュニティが今後の新たなビジネスチャンスを生んでくれる場所になるはずである。

1億円の法則 古今東西の大富豪に学んだお金の真実
田口智隆(たぐち・ともたか)
株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。28歳のときに自己破産寸前まで膨らんだ借金を、徹底した節約と資産運用によりわずか2年で完済。その後、資産を拡大し、34歳のときにお金に不自由しない状態「お金のストレスフリー」を実現する。2009年に、実体験に基づくノウハウをまとめた処女作『28歳貯金ゼロから考えるお金のこと』を出版、5万部を超えるベストセラーとなり一躍注目を集める。その年から日本各地でスタートした「学校では教えてくれないお金の授業」の講演回数はこれまでに1000回以上、受講者は述べ50,000人を超える。著書は累計80万部を超える。
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