(本記事は、水野俊哉氏の著書『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』サンライズパブリッシング、2018年5月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

年収1億円の人は、怒らない

年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

年収300万円の人は、怒られる。
年収1000万円の人は、怒る。
年収1億円の人は、怒らない。

職場でのパワハラが問題視される昨今ですが、上司に怒られまくっている年収300万円の人は少なくないでしょう。

逆に、年収1000万円の人は、使えない部下に日々腹を立てているのではないでしょうか。

では、年収1億円の人はどうかといえば、普通の人からすればビックリするほど「怒らない」人が多いです。

ひと昔前の社長には、いつも真っ赤な顔をして社員を怒鳴りつけているような、アドレナリン過多なイメージがありました。

飲食業などのビジネスでは、安い給料で大勢の人に一生懸命働いてもらわないと儲からない仕組みになっていたので、和民の渡邉美樹氏のような「帝王」キャラの社長が、なかば強引にスタッフを束ねていく必要があったのです。

しかし、今やビジネスの主戦場はネットに移行しました。

ネットビジネスというのは、決められたルールのなかで効率よく作業をこなせる人が勝つ仕組みになっているので、声が大きいだとか、部下を服従させるといったスキルはあまり関係なかったりします。

なので、いまどきの社長にはマイナスイオンのように穏やかな人のほうが多いのです。

周りがそういう人ばかりだと自分も自然と影響を受けますから、お金持ちには「怒らない」人が多いのでしょう。

また、もうひとつの重要なポイントとして「怒ると損する可能性が高い」ということが挙げられます。

相手にムカついたとしても、ビジネス上関係のある人間であれば、なんらかの仕事をやってもらっているわけで、ヘタに関係をこじらせるとビジネスに支障が出る恐れがあります。

そうした成り行きを合理的に考えて、怒らないという判断をしているお金持ちも多いと思います。

私自身、会社で怒ることは滅多にありませんが、週末にサッカーやフットサルを楽しんでいることも多少は関係あるかもしれません。

ピッチの上で思う存分アドレナリンを発散することで、職場ではなるべくアドレナリンを出さないようにしているのです。

アドレナリンが出るとどうしても戦闘的になり、職場がギクシャクします。

それなら、スポーツやゲーム、音楽などでストレス発散し、おだやかな日常を送るほうが労働生産も高くなるのです。

年収1億円の人は、裁判する

年収300万円の人は、殴り合う
年収1000万円の人は、口論する
年収1億円の人は、裁判する

お金持ちは滅多に怒らない、マイナスイオンのような人種だという話をしましたが、そんなお金持ちでもキレるときはキレます。

といっても、車を運転していて無理な割り込みをされたからといって狂ったようにクラクションを鳴らしたりはしませんし、街中で態度の悪い若者を相手に説教したりすることもありません。

お金持ちが表立って誰かと口論することも、非常に珍しい光景といえるでしょう。

世の年収300万円の人々は、日ごろのストレスを発散するかのように怒りたいときに怒りますが、お金持ちは常にストレスフリーな日常を心がけていますから、ストレスを発散する必要がないのです。

そもそも、怒ったところで1円の得にもなりません。

仮に車をぶつけられてミラーが壊れても、保険が下りれば修理にお金はかからないわけですから、怒るだけエネルギーの無駄遣いというものです。

こういう場面で、お金持ちの考え方は非常に合理的です。

そんなお金持ちがキレるのは、「堪忍袋の緒が切れた」ときです。

穏やかに何度もやめてくださいと言っているのに、繰り返し足を踏むような真似をしてくるような相手に対しては、さすがのお金持ちも牙をむきます。

とはいえ、そんなときでも自分のエネルギーは浪費しないのが彼らの流儀。ケンカもアウトソーシングが基本です。

つまり裁判をするのです。

法的な手段に訴えるというのは、普通の人の感覚ではかなり厳しい対応に思えるかもしれません。

なかには「この程度のことで訴えるの?」というようなケースもあります。

しかし、彼らとしては、まったく何も生み出さないことに対して自分のエネルギーや時間を費やすくらいなら、大金を払ってでも弁護士や代理人に丸投げしてしまいたいというのが本音なのです。

なお、こと訴訟にかかるコストについては、採算は度外視で、徹底的に相手を潰しにかかるケースが多いようです。

まさに「仏が怒ると怖い」といったところでしょうか。

年収1億円の人は、忙しすぎる人とは付き合わない

年収300万円の人は、ヒマを持て余す。
年収1000万円の人は、忙しすぎる。
年収1億円の人は、忙しすぎる人とは付き合わない。

年収1億円のお金持ちと、年収1000万円の人には実はあまり接点がありません。

その理由のひとつに「年収1000万円の人はなにかと忙しくしている」ということが挙げられます。

お金持ちもそれなりに忙しくはしているのですが、なるべく効率よく、フットワーク軽く行動できるように仕組みをつくり上げているので、スケジュールには意外と融通がきくのです。

ところが、年収1000万円の忙しい人は、なかなかスケジュールが決められません。

一緒にご飯を食べに行こうということになって、お金持ちのなかに年収1000万円の人がひとり混じっていたりすると、その人のせいで他の全員があれこれ調整する羽目になります。

こうした「不自由さ」に巻き込まれることを、お金持ちはたいへん敬遠するので、忙しすぎる人とは付き合わなくなるのです。

そもそも「いつも忙しくしている」ということ自体、お金持ちの価値観とは合いません。

経営者のなかにも、いつもつかまらない多忙な人はいるのですが、そういう人に限って会社の売り上げはともかく、利益率が低いように感じます。

逆にいえば、年収300万円でヒマを持て余している人のほうが、一周してお金持ちとの交流が持ちやすいかもしれません。

もっといえば、フリーターの方ならさらにチャンスがあるでしょう。

お金持ちが、気に入った人間に「うちの会社でバイトしてみないか?」などと気軽に声をかけるのはよくあることですが、その場合も、相手が「自由度の高い人間」であることが重要になってきます。

サラリーマンよりも無職やフリーターの方が成功しやすいというお金持ちが多いのですが、その理由はひとつ。

サラリーマンには、何かをはじめるための「自由な時間」がないからです。

もちろん、なんのチャレンジもしていないフリーターが成功できるわけはありませんが、成功に向かおうとする志があった場合、自由な時間があるフリーランスと仕事が忙しいサラリーマンのどちらが成功しやすいかといえば、その答えは明白です。

その自由さも含めて、お金持ちは付き合う相手を選んでいるのです。

年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?
水野俊哉(みずの・としや)
1973年生まれ。作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタント。現在は自ら立ち上げた出版社2社、飲食業のオーナー業の傍ら、執筆やコンサルティング、出版プロデュース業を営んでいる。国内外問わず富裕層の実態に詳しく、富裕層を相手に単にビジネスにとどまらない、個人の真に豊かな人生を見据えたコンサルティング・プロデュースには定評がある。
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