(本記事は、水野俊哉氏の著書『年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?』サンライズパブリッシング、2018年5月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

年収1億円の人は、基本的にメールしか使わない

年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?
(画像=ViChizh/Shutterstock.com)

年収300万円の人は、電話する。
年収1000万円の人は、電話とメールを使い分ける。
年収1億円の人は、基本的にメールしか使わない。

少し前に、堀江貴文さんの「電話をしてくる人とは仕事をするな」という言葉が話題になりました。

これは、お金持ちの間では割と当たり前の話で、私の周囲にも電話をかけてくる人はいませんし、彼らに電話をしてもまず出ません。

忙しいとか、面倒だとか、細かい理由は人それぞれでしょうが、その根底には「そもそも電話で話す必要があるのか?」という疑問があります。

つまり、メールで済むことをわざわざ電話する必要があるのか?ということです。

「電話をしたほうが相手にプレッシャーを与えられるんじゃないか?」というのは、まさに年収300万円的な発想。

お金持ちは相手に無用なプレッシャーをかけるような対応を望みませんし、相手が出ないとわかっているのに電話をする理由はありません。完全に時間の無駄だからです。

年収1000万円の人は普段はメールでやりとりしますが、大事な用件は会って話すか、または電話をします。

一方、年収1億円プレーヤーはまず電話をしません。

メールではなく「電話にしかできないコミュニケーション」というメリットもあるにはありますが、それは本当に必要なものでしょうか?

中にはメールだけでものを頼むのは失礼だ、という人がいます。しかし、ビジネスの目的とは、相手に「なんて礼儀正しい人なんだ!」と感心されることではありませんから、まったく構わないわけです。

電話のほうが、判断を誤るリスクが高いという問題もあります。

電話で話したその場の勢いで結論を出すより、ひと晩冷静に考えてメールで返事をしたほうが間違いが少ないのは明白です。

とりわけ、お金持ちは大きなビジネスを動かしていますから、判断を誤ることによる損失は年収300万円の人の比ではありません。

そこで、必然的に電話を避けるようになるわけです。

かくいう私自身もケータイ電話は受付専用で、暇なときに留守電を聞いて必要な要件のみかけなおしています。

ちなみに、私より若い世代のお金持ちの場合、電話はもちろんのこと、メールすらしない人も増えています。

人によってはLINEしか使わなかったり、Facebookのメッセンジャーしか使わなかったり。それぞれ、自分がいちばん使いやすい連絡手段に一本化している感じですね。

そうすることで、無駄に電話してくる相手をシャットアウトしているのかもしれません。

年収1億円の人は、電話に出ない

年収300万円の人は、すべての電話に出る。
年収1000万円の人は、大事な電話に出る。
年収1億円の人は、電話に出ない。

「お金持ちは電話をしない」という話をしましたが、「電話に出ない」のもお金持ちの特徴です。

電話には「いつかかってくるかわからない」という見えないプレッシャーがつきもの。ずっと待ち受け状態のようなものです。

こうした無駄なプレッシャーをお金持ちはたいへん嫌うので、「だったらいっそ、出ないでおこう」となるわけです。

例えばお金持ちがよくやりとりをする相手に「銀行」と「弁護士」がいますが、彼らオールドエコノミーの人達は、電話がたいへん長い傾向があります。

懇切丁寧に、いろいろ説明してくれるのはいいのですが、外出する直前にうっかり電話に出てしまったりすれば、家を出るタイミングを逸してしまいかねません。

そこでお金持ちは、電話には出ずに、自分の都合のいい時間にかけ直します。

それはいつか。ずばり「移動中」です。

私自身、車を運転しながら会計士と決算について話していたら、東京から小田原に着いていたことがありましたが、移動中であれば長話になっても距離は進みます。

これは精神衛生上、実にすばらしいことです(注:車がスマホとブルートゥースで同期している車種です)。

ちなみに、私の会社で採用を行うときは、応募者には必ず携帯に連絡してもらい、留守電にメッセージを残してもらうようにしています。

なかには「何度もかけてるのに、どうして連絡がつかないんですか!」みたいな怒りのメッセージを入れてくる人もいますが、そういう方はクライアントとのコミュニケーションでも空気が読めない可能性が高いので、返事はしません。

留守電の声や内容を聞けば、大体の人となりはわかるものです。

つまり、留守電自体がひとつの選別法になっているわけです。

電話に対しては、これくらいドライな対応でまったく問題ありません。

1時間おきに留守電をチェックしたり、登録していない番号からかかってきた電話にいちいち折り返したりするのは「無駄なマメさ」です。

年収300万円の人は、こうした作業をすることで「なんだか仕事をしたような気分」になりがちですが、ただの自己満足です。

無駄な電話対応は、あなたの大切な時間を奪う行為でしかありません。

年収1億円の人は、ミネラルウォーターを頼む

年収300万円の人は、打ち合わせでコーラを頼む。
年収1000万円の人は、打ち合わせでコーヒーを頼む。
年収1億円の人は、ミネラルウォーターを頼む。

一般のビジネスマンの方はカフェや喫茶店で打ち合わせをしていると、コーヒーを頼む人が圧倒的に多いと感じます。

ちょっとダメなビジネスマンだったりすると、コーラやクリームソーダなど、普通に自分が飲みたいものを頼む人も……。

仕事で疲れすぎていて、脳が糖分を欲しているのかもしれませんが。

では1億円の人はといえば、これは圧倒的に「ミネラルウォーター」率が高いのです。

機会があれば、リッツ・カールトンのラウンジで打ち合わせをしている人々を観察してみてください。

笑ってしまうほど皆、1杯約1000円のミネラルウォーターを飲んでいます。

私自身はいつもトマトジュースを頼むのですが、注文を取りにきた店員さんに、サラリーマンの皆さんが判で押したように「じゃあコーヒーを」と頼んでいるのには違和感を覚えます。

考えてみれば、コーヒーというのはあまり打ち合わせ向きのドリンクではありません。

目覚めの一杯にはいいかもしれませんが、打ち合わせが長引いているときに何度もコーヒーをおかわりしていると胃がもたれますし、砂糖を入れたりすれば、糖分の過剰摂取にもなります。

その点、ミネラルウォーターはデトックスにもなるし、何杯飲んでも健康的。あらゆる意味でニュートラルです。「水にお金を出すなんてもったいない」と考える人もいるかもしれませんが、その思い込みはぜひ捨てていただきたいと思います。

普通の会社で働いていると、いつしか「打ち合わせではコーヒーを頼む」のがスタンダードになっていきますが、お金持ちが集まっているところでコーヒーを頼んでみると、確実に浮くはずです。

何も考えずにコーヒーを頼むのは、一種の思考停止。打ち合わせのドリンクひとつとっても、お金持ちはさまざまなメリット、デメリットを考えているのです。

年収1億円の人は、なぜケータイに出ないのか?
水野俊哉(みずの・としや)
1973年生まれ。作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタント。現在は自ら立ち上げた出版社2社、飲食業のオーナー業の傍ら、執筆やコンサルティング、出版プロデュース業を営んでいる。国内外問わず富裕層の実態に詳しく、富裕層を相手に単にビジネスにとどまらない、個人の真に豊かな人生を見据えたコンサルティング・プロデュースには定評がある。
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