がんばりすぎの入眠儀式が眠れない状況を作っている!?
「良かれ」と思ってやっていることが「やりすぎ」で逆効果になっているものも少なくない。例えば、体を温める入浴やストレッチなどの運動は、約1時間後には深部体温を下げて寝付きやすくなる効果をもたらすが、もっと効果を上げようと熱いお風呂に入ったり、ハードなトレーニングをしたりするのは逆効果。いずれも交感神経を刺激して、覚醒へと導いてしまう。
「読書をする」という人も多いが、ここにもいくつか注意点がある。「昼光色」や「昼白色」の蛍光灯には、スマホと同様に脳を覚醒させるブルーライトが含まれる。しっかり読もうとすると、そうした環境に身をおきがち。入眠儀式が「本気で読書」にならないように注意しよう。その意味で内容も、ハラハラドキドキのサスペンスやミステリー、先が読みたくなるマンガ、仕事のモチベーションが上がるようなビジネス書などは避けたほうがよい。
そして、入眠儀式として最大の問題行動は「眠くないのにベッドに入ること」だ。どうしても不眠気味の人は「今日こそは早く寝よう」と早々にベッドに入りがち。結果、「ベッド=眠れない経験」が結びつき、ますます眠れなくなってしまう。
この悪循環を断ち切るには「眠くなったらベッドに入る」を儀式化することだ。眠れない時間を有意義な入眠儀式の時間に当てて、ベッドの外で過ごすようにすれば「眠れない焦り」も軽減するだろう。
意外に無視できないプラシーボ効果を活用しよう
このように入眠儀式のNGについて話すと、「私は牛乳でぐっすり」「ドキドキするミステリーこそ睡眠薬」という方もいる。いずれも心身を覚醒させる行為であることは間違いないが「これをやると眠れる」という成功体験を得たことで、プラシーボ効果が生まれていると考えられる。
プラシーボ効果とは「偽薬効果」ともいい、薬としての科学的な効果がなくても、思い込みによって心身に期待通りの効果が現れるというものだ。近年では偽物だと分かっても効果が続くという研究もあり、思い込みの効果は絶大ともいえる。
つまり、「これがあれば眠れる」という習慣が入眠儀式として認識されれば、体もそれに従うようになる。そのためには「こうしたらよく眠れた」という成功体験を積むことが大切だ。是非とも、NG行動に注意しつつも、厳密になりすぎず、あなたにぴったりの入眠儀式を探してみてほしい。
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(出典:「営業サプリ」https://www.eigyousapuri.jp/
文:伊藤真美 イラスト:なとみみわ
こちらの記事は、医師の監修のもと制作しております)
営業サプリ編集部(えいぎょうさぷりへんしゅうぶ)
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