3月21日付のチェスターNEWSで紹介いたしました、土地の一部が財産評価基本通達24に定める「私道共用宅地」に該当するか否かが争われた事件について、最高裁は原判決を破棄し、東京高裁に審理を差戻しました。

私道の評価
(画像=チェスターNEWS)

原審では、建築基準法上の道路内の建築制限や私道の変更等の制限などの制約があるものを財産評価基本通達24に定める私道共用宅地と解するのが相当と判断し、建築基準法等の法令上の制約がなく、市等からの指導により設置されたものであっても、利用形態を変更することで通常の宅地と同様に利用できる可能性がある場合は私道共用宅地には該当しないとしました。

私道の評価方法及び1審・2審の詳細につきましては3月21日付のチェスターNEWSをご確認ください。

しかし、最高裁は私道共用宅地の該当性について以下の判断方法を示しました。

「宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきである。」

この最高裁の判決により、建築基準法等の法令による制約がある土地でなくても、その利用状況等により道路以外の用途への転用が容易でない場合には減額評価できる可能性が広がりました。東京高裁の再審の結果が待たれるところです。

(提供:チェスターNEWS