国税庁より、平成27年分の相続税の申告状況についての発表があり、平成27年分の相続税の課税対象者数が平成26年分の56,239人から、約2倍の103,043人となり、被相続人における相続税の申告書の提出にかかる被相続人数の割合である課税割合も、4.4%から8.0%へと、3.6%上昇しました。
国税庁の報道発表によると、下記図1のとおり、平成26年分までは目立った増減がなく横ばいに推移してきましたが、平成27年分において「課税対象被相続人数」「課税割合」が急激に増加していることがわかります。また、その他の相続税の申告状況については、下記図2のとおりになります。
図1
図2
この増加要因の一つとして、平成25年度税制改正における「相続税の基礎控除の引下げ」が大きく影響していると考えられます。例えば、法定相続人が3人いる被相続人の場合、基礎控除額が「5,000万円+1,000円万円×法定相続人数」から「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられた結果、平成26年分では8,000万円まであった控除の枠が、平成27年分からは4,800万まで引き下がることになっています。相続税の課税対象者の範囲が広くなり、結果、相続税の申告実績が急増することになりました。
上記の他にも、少子高齢化社会により法定相続人数自体が減少することも今後は考えられます。今までは相続と無縁であった方も、課税対象者になる可能性があります。相続対策をまだされていない方は、今一度ご検討されたほうがいいかもしれません。
(提供:チェスターNEWS)