正式名称:個人消費支出(PCE)価格指数

ポイント:米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視(2000年2月以来)

概要:この指標は、国内総生産(GDP)を構成する個人消費支出のデフレーターである。すなわちGDPの内訳(個人消費・設備投資・住宅投資・在庫投資・政府支出・純輸出)の中の個人消費支出のデフレータ(物価上昇分を考慮しない名目の個人消費支出と、物価上昇分を考慮して算出される実質の個人消費支出との差額を調整する値)を指す。名目個人消費支出÷実質個人消費支出で算出される。個人消費の物価動向を示す指標であり、個人消費の変動分から物価変動分を取り除く際にも利用される。個人消費のうち変動の大きい食品・エネルギーを除いたPCEコアデフレータは、FRBの物価判断基準において最も重要視される指標である。特に、月次ベースでの前年比の数字が注目される。消費者物価指数(CPI)は、基準年のウェイトを用いるラスパイレス指数のため、上方バイアスが生じるが、PCE価格指数は、ラスパイレス指数とパーシェ指数の幾何平均を用いるため、バイアスが生じにくい。コア指数(価格変動が激しい食料・エネルギー価格を除外した指数)が重要視される。

特徴:この指標を用いる上でのメリットは以下である。すなわち、まず米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の指針として重要視している物価指数であることから、指標の動向が直接政策形成に結びつくことが多い点である。また消費者物価指数や生産者物価指数に比較して、長期的な物価動向を示唆している点が挙げられる。

洞察(インサイト):この指標の値が動くことで生じる影響、効果は以下の通りである。【上昇の場合】インフレ懸念が台頭するため、米連邦準備理事会(FRB)の金融引締め観測から、債券市場と株式市場は軟調推移を見せることが予想される。ドルは米国金利上昇観測から堅調推移することが予想される。【下落の場合】インフレ懸念が後退するため、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和観測から、債券市場と株式市場は堅調推移を見せることが予想される。ドルは米国金利低下観測から軟調推移することが予想される。

発表頻度:毎月

発表時期:毎月月末:米国東部時間午前8時30分

重要度:1