昨日はとても暖かく、福岡では「師走の夏日」となったようですが、やはり異常気象は続いているということでしょう。株式市場も日本発の大暴落ということで再度米国株安を受けて本日も日本株は売られそうです。ここで下げ渋るということもあるのでしょうが、ここまで上がり過ぎていた銘柄もあり、「年内に」と売り急ぐ動きも出てきそうです。

昨日の暴落の要因として新規上場株を買うための「換金売り」という面もあったのではないかと思います。さすがにここまでの大きな規模の上場ということになると影響もあるのでしょうし、それだけ新しい資金が株式市場に入るのかどうかということです。民営化のための株式の売り出しということであれば、国のモノが国民のモノになるということや国にお金が入るということで新たな資金も投入しやすいですが、単なる一企業に改めて資金を出すという人も少なく、「新規上場だから」ということで買う人が多いのではないかと思います。今年もあと1か月を切りましたが大きな波乱となっており、今年一年の荒れ相場を象徴するようなことになっており、年内はまだまだ波乱も続きそうです。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

大幅高の後一転して大きな下落となりました。日本発の下落という形になりましたが、米国での下落は「逆イールド」が一つの要因となったと思われます。ただ、日本市場の下落要因は特に何もなく、買われ過ぎ銘柄の修正で大きな下落となったということです。日経平均採用銘柄で高いものが3銘柄だけという状況で昨日の下落はここのところの動きにしては珍しく「全面安」となっていました。米国市場もダウ平均採用銘柄がすべて安いという状況で「株式からの資金逃避」の動きとなっているということです。

債券から株式へのシフトのような「リスク回避」となっています。為替も円高に振れたということもあり、日本市場は冴えない展開となってきそうです。こうなると利益が出ているうちにという売りも出るのでしょうし、損が膨らむ前にということもあり、年末相場に期待するというよりは戻れば売りというような雰囲気も出てくるのだと思います。

こうした相場が続くと「売らなければ儲からない」というような意見も出てきそうですが、逆に配当利回りで買うということであれば、買える銘柄も出てくるのではないかと思います。JT(2914)などディフェンシブ銘柄で高配当銘柄が大きく下落することがあれば注目です。三菱商事(8058)など商社株や三菱UFJ(8306)などの銀行株など低PER(株価収益率)銘柄も注目です。

JT(2914)は基準線に押さえられ、25日移動平均線も再度下回りそうです。遅行線が日々線に絡むところで動きが出てきそうで、安値を試す動きになれば、底堅さもみられると思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。