金融資産5億円以上を保有する超富裕層が住まいに求める価値は、一般層が求める価値とは異なります。利便性の高い立地などは前提条件でしかありません。超富裕層にふさわしいのは「高級ホテル感覚の住み心地、経済都市、ブランド地区」の3つの条件がそろった住まいです。その詳細とともに、東京で超富裕層が候補に入れるべきエリアも紹介します。

超富裕層の住まいの条件1「高級ホテルのサービス」

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(画像=Alexander Steam/Shutterstock.com)

超富裕層は、富裕層の中でも特に純金融資産保有額が多い人々を指します。野村総合研究所のレポートによると、保有資産ごとに次の5つの階層に分けられます。

・超富裕層 5億円以上 
・富裕層 1億円以上、5億円未満
・準富裕層 5000万円以上、1億円未満
・アッパーマス層 3000万円以上、5000万円未満
・マス層 3000万円未満
出所:野村総合研究所「ニュースリリース(2016年11月28日付)」

ちなみに約4,137万世帯のマス層に対して、超富裕層は7.3万世帯、富裕層は114.4万世帯となっています。この超富裕層が住まいに求める価値は、次の3つの条件に集約されます。

・高級ホテル感覚の住み心地
・経済都市
・ブランド地区

まず、ひとつ目の条件の「高級ホテル感覚の住み心地」についてです。これはラグジュアリーホテルと同レベルのサービスが、自身が所有する(あるいは賃貸している)マンションで受けられるというもの。建物や立地の魅力だけでなく、サービスの質を比較してマンションを選ぶのは超富裕層ならではと言えます。

例えば、六本木ヒルズと隣接する「六本木ヒルズレジデンス」では、次のようなホテル並みのサービスが受けられます。

・コンシェルジュによるフロントサービス
・ドアマンやポーターによるサポート
・ルームサービスの利用
・コミュニティーホールやゲストルームの利用

さらに最近では、ザ・リッツ・カールトンホテル直営のレジデンスのような、ラグジュアリーホテルが運営する物件も誕生しています。このタイプは、上記のような項目に加えて、シェフの出張サービスなども用意します。

超富裕層の住まいの条件2「経済都市」

次に、2つ目の条件の「経済都市」についてです。資産運用を行うことが当たり前の超富裕層は、経済の先を見通す情報収集力が生命線です。もちろん、ネット経由の情報収集も可能ですが、より高い精度を求めると、人を介したリアルなコミュニケーションが重要です。

そういった意味では、経済に対する感度の高い人々が集まる、金融都市、情報集積都市に住むことは、超富裕層にとってプラス材料です。該当する都市としては、グローバルなら、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、ドバイなど。日本なら東京が挙げられます。

超富裕層の住まいの条件3「ブランド地区」

3つ目の条件の「ブランド地区」についてですが、前項で触れた経済都市の中でも、感度の高い超富裕層が集まるエリアは限られています。東京23区の年収が高い層が住む区としては、港区、千代田区、渋谷区などが知られます。

これらの区の中でも、限られたブランド地区に超富裕層~富裕層が集まっています。たとえば、港区でいえば、利便性の高い都心では六本木や赤坂、住宅地では麻布や白金台などが挙げられます。同じ区でも、都心、住宅街では雰囲気が異なるため、どちらがご自身に合うかの見極めも重要です。

超富裕層なら候補に入れておきたい「東京駅周辺」

エリア選びにおいて意識したいのは、「東京のブランドマップが塗り替えられていること」です。現在の東京では、オリンピック前後の再開発が急ピッチで進んでいます。これによって、新たなブランド地区が生まれたり、もともとブランド価値があったエリアがさらにブランド力を高めたりといった現象が起きています。こういった動向を見ながら住まい探しをすることが大切です。

一般的に話題性の高い再開発は、山手線の新駅や渋谷駅周辺などですが、超富裕層の方々なら「東京駅~日本橋周辺」も候補に入れておきたいところです。なぜなら、東京都内の大規模再開発は、「東京圏国家戦略特別区域」という計画に沿って進められていますが、東京駅~日本橋周辺は「金融軸を支える多様な拠点整備」が集中的に行われており、超富裕層と相性がよいと考えられるからです。

具体的には、国際金融・ビジネスの交流のための超高層ビルが建てられ、その周囲を金融セミナースペースや、ライフサイエンスビジネスの拠点などが囲むようなイメージです。これらの再開発は、オリンピック後に本格化します。住む、住まないは別にしても、金融や先進ビジネスに興味のある方には見逃せないエリアです。(提供=JPRIME

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