フェラーリやランボルギーニといった高級外車はもともと人気ですが、最近は年式の古いものが世界的に高値をつける傾向にあります。海外オークションではフェラーリの50億円以上の落札が話題に。国内でも売却益を得るオーナーが続出しているようです。なぜ一部の高級外車にプレミアムがつくのか。その背景を探ります。
投資重視ならフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェの選択も
富裕層の方であれば、車はメルセデス・ベンツに決めているという方も多いでしょう。日本自動車輸入組合によると、2018年4月から9月間の「輸入車新規登録台数」はベンツがトップ。全新規登録車のシェア率17.4%、登録台数は3万944台です。ベンツは富裕層を中心に絶対的な支持を集めています。
しかし、投資を意識するとプレミアムがつく希少価値のある高級外車も見逃せません。一般の自動車は年式が古くなれば低い査定になります。一方、希少価値のある自動車は千万単位、億単位の額がつくこともあります。このような高級外車の代表は、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどです。
ちなみに、2018年8月にオークションで落札されたフェラーリ250GTOは約54億円の高値をつけました。そこまで価値が高騰しなくても、10年前に買った総額2,000万円の自動車がほぼ同額で売れるようなケースも。さらに、とくに人気が集まる車種では、10年前の年式のフェラーリにかなりのプレミアムがつくことも珍しくありません。
フェラーリの全新規登録車のシェア率はわずか0.23%
一般の自動車に乗っている方からすると、いくら人気とはいえ、かなりの年数乗ったものが購入時の価格以上で売れるのは信じがたい面もあるでしょう。
一部の高級外車に売却益が発生する事実を証明したのが、2018年10月の読売新聞の報道です。フェラーリなどの売却益を巡り、歯科医や経営者らの所得隠しがあったことを報じています。もちろん、脱税は避けるべきですが、売却益が生まれることを証明するエピソードです。
フェラーリにプレミアムがつく理由は「希少価値」によるものです。一般の車はいくら人気でも、大量生産なので希少価値が出ることは稀です。一時的に品薄になっても、追加販売によって需要と供給のバランスがとれます。一方、フェラーリは細部のつくりが複雑で手作業が必要なため、少量生産しかできません。そのため、希少価値が出やすいのです。
ちなみに、2018年4月から9月間のフェラーリの「輸入車新規登録台数」はわずか401台、シェア率は0.23%。フェラーリの希少価値の高さがわかります。
フェラーリにプレミアムがつく理由
ただし、すべてのフェラーリにプレミアムがつくわけではありません。車種によって希少価値は変わってきます。たとえば、特に近年プレミアムがついている車種に、308GTBや550マラネロなどがあります。予備知識がないのであれば、詳しい方にレクチャーを受けたり、専門店に何度も足を運んだりして市場動向をつかんでから購入するべきでしょう。投資を意識して購入するのであれば、衝動買いは禁物です。
もちろん、せっかく購入されるなら、フェラーリのプロダクトとしての魅力も堪能したいところです。フェラーリは自動車の範疇を超えた存在です。トップデザイナーのクリエイティビティと、そのイメージを具現化する技術が合わさった芸術作品と言えるでしょう。ボディーや内装にとどまらず、小さな部品のひとつにまで美意識が貫かれています。エンジンはたぐいまれなパワーがあるだけでなく、運転する喜びを増幅させる心地よい音を響かせます。
フェラーリのオーナーになる条件とは?
フェラーリのオーナーになるデメリットとしては、メンテナンス費用や修理費用の高さが挙げられます。ちょっとした小さな修理でも、他のメーカーでは考えられない高額になるケースもしばしばです。
また、通常の自動車のエンジンは耐久性を追求していますが、フェラーリはこまめなオーバーホールと部品交換を前提にしたエンジン設計です。そのため、どうしてもメンテナンス費用がかさみます。この費用を削ってコンディションを崩してしまえば、フェラーリといえども価値が落ちてしまうので注意したいところです。
そう考えると、メンテナンスを面倒と思わないマメさがある方でないと、よい状態をキープして資産価値を高めることは難しいと考えられます。ご自身の性格を踏まえた上で購入するべきでしょう。(提供=JPRIME)
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