(本記事は、中田宏氏の著書『忙しい人のための死ぬまで太らないカラダの作り方』アスコム、2018年4月24日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

暴飲暴食OK!食事は2日間でバランスさせろ!

忙しい人のための死ぬまで太らないカラダの作り方
(画像=kai keisuke/Shutterstock.com)

厚生労働省によると、日本人の30?49歳(身体活動レベル普通)の1日の推定エネルギー必要量は、平均で男性が2650kcal、女性は2000kcalである。(出所:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」)

私の身長は184cmあって、日本人の平均より高いので、エネルギー必要量も高くなるのだが、それでも1日の摂取カロリーが3000kcalを超える日が続くと、それは摂取過多と指摘されるだろう。

●飲み過ぎ、食べ過ぎと思ったら、翌日は控える

多くのビジネスパーソンにとって、会食は避けて通れない。仕事の上での会食であっても、おいしく食べて、楽しいお酒を飲みたい。

気持ちが後ろ向きで仕方なくといった気分で会食をすることは、むしろストレスがたまってしまう。

会食では、楽しく暴飲暴食をするくらいの気持ちで臨みたい。その代わり暴飲暴食をしたら、翌日と合わせた2日間でカロリーをコントロールすればよいのだ。

1度の会食で、摂取するカロリーは、食事だけで1000kcal超、それにお酒を飲めばプラス500kcalを超えるだろう。お酒も入り楽しい雰囲気の中で会話も弾めば、食べ過ぎ飲み過ぎでゆうに2000kcal以上になるだろう。

これは、1回の飲み会だけで成人女性の1日に必要な総摂取カロリーに相当する。

そうしたカロリー摂取過多を怖がり、食べたいのに食べず、飲みたいのに飲まなければ、気分はすっかりシラケてしまう。

だから食べ過ぎ飲み過ぎの翌日はセーブすればよいと考える。ただし、翌日の朝食は抜かず、主にコントロールするのは昼食だ。

つまり、私の場合は、2日でトータル摂取カロリー量を約5000kcal程度にすればよいのだと考えている。小柄な方や女性であれば、2日間で3000kcalだとか、4000kcalと、2日間でコントロールするカロリー量を、自分で決めておくことだ。

●食べ過ぎた日の翌日は、控えればよい

2日間の食事パターンを常にイメージしていることが大切だ。たとえば、会食で2000kcal以上を食べたり飲んだりした日は、その日の朝食や昼食を含めると、1日の摂取カロリーは4000kcal近くになっているかもしれない。

そうしたら、翌日は1000~1500kcalくらいに控えるのだ。

ご飯などの炭水化物の摂取をできるだけ控えて、野菜をたっぷり食べたり、ひっきりなしに水分を摂って満腹感を得る。そうすることで食べ過ぎたものが体脂肪に変わる前に、カラダの中でエネルギーとして消費され、結果的に食べ過ぎが調整できる。

もし、その日の夜に会食の予定が入っていれば、昼を抜いてお腹をすかせておけば、どんなジャンルの食事だったとしてもおいしく感じる。

ついでに、昼食の時間帯に懸案の仕事を片付けることもできると、ポジティブに考える。

私は、「明日からダイエット!」と一念発起で減量しようとした人が、長続きしたという話をあまり聞いたことがない。

そのためにお金をかけたり、生活パターンを変えたりしても、結局無理がきて途中で諦めることが多いのだ。2日間のトータルカロリーコントロールを続けるほうが、日々の生活のリズムを変える必要もないので、気軽に続けることができると思う。

大事なことは、2日かけて食事の微調整を行うこと。体重が2?3kg増えてから、「今週は食べない」というような急なカロリー制限は、無理した上に、結局のところリバウンドという形になって、元の体型に戻ってしまう。

●無駄カロリー禁止!余計だと思う食事は食べるな

カロリーコントロールは、簡単な習慣だ。食べ物の大まかなカロリーを頭に入れておくことが習慣化につながる。

そうすれば、2日間かけてカロリーコントロールするだけでなく、1回の食事の中でもコントロールは可能だ。それは、自分にとって余計だと思うものを食べないことだ。

たとえば会食で、おかずが多いと思ったら、ご飯などの炭水化物を少なめにする。

飲食店で「ご飯を少なめにしてください」と頼んでも、お茶碗の半分以上だったりすることが多い。だから私は、ご飯1/3と頼む。そうして出されてくるご飯の量は、やっとお茶碗に半分だ。

会食の2次会で行くバーやスナックでは、お酒と会話を楽しむことが主だから、食べることは控える。

そもそも、食事はその前に済ませていることが多い。そして、そうしたところで出される菓子類は、カロリーが高いことを頭の片隅に入れておこう。

食べ過ぎたと思ったら「プチファスティング」で太りにくいカラダを作れ!

プチファスティング=プチ断食という言葉がある。

さまざまなところで「1日のプチ断食」とか「週末のプチ断食」など、断食の期間や頻度を表した言葉も紹介されている。

プチ断食とは、1日だけ、飲み物だけを飲み、食事をガマンするという断食方法。そして、プチ断食には脂肪燃焼、便秘解消、代謝向上、デトックスなどの効果があるとされている。

●太りにくい体質に改善する「プチ断食」

最近では、プチ断食について科学的な検証も行われており、2017年6月に放映されたNHKの情報番組でも紹介されていた。

同番組よると、マウス実験で、一方のマウスには通常のエサを毎日与え、もう一方のマウスは3日間の断食を行い、その後の3日間はエサを与えるという食生活を1ヵ月続けた。

そして今度はエサを高カロリーのものに切り替え、両方のマウスに毎日同じ量だけ与え続けると、断食をしなかったマウスに比べ、断食を繰り返したマウスは、体重の増加が13%も抑えられていた。

断食を経験したことで、太りにくい体質に変化していたのだ。

また、宗教的な理由で定期的にプチ断食を行う集団は、同じ町に暮らす一般の住民と病気の発症率を比べてみると、心臓病の発症が39%、糖尿病は52%も減少しているという。

●プチ断食でカラダと頭をリフレッシュせよ

プチ断食の方法はさまざまある。一般的に紹介されているのが週末のプチ断食で、この場合は1日だ。

しかし医者から、プチ断食は1日よりも3日間のほうが、効果があると言われたことがあった。そこで興味がわいて、2泊3日のプチ断食を経験できる施設に赴いたことがあった。その時の体験を簡単に紹介しよう。

最初の2日間で口にするのは、いつでも自由に飲んでいい生姜汁とほうじ茶、朝昼晩の3食に相当するのは、ニンジンジュース3杯と梅干しとレモンスライス。3日目の朝にニンジンジュースを1杯と梅干し、昼前に重湯と具なしの味噌汁が出された。

それまで、1日だけのセルフプチ断食を何度もしていたので、3日の体験でもまったく違和感や極端な空腹感はなかった。むしろ、感じたのは爽快感だ。心身がリフレッシュしていく。胃の中を空っぽにして、消化器官の働きを休めることができたので、血液がカラダの隅々まで行き渡る感覚だ。

私はプチ断食に臨むに当たり、「積ん読」のままになっていた書籍を持ち込んだ。プチ断食で頭の中が研ぎ澄まされたためか、普段以上に読書にも集中できた。

2泊3日のプチ断食は、会社勤めをしている人にとって、簡単に経験できることではないが、週末の1日を使ってのプチ断食は可能だろう。

断食というと、宗教的な意味合いだったり、修行のイメージを持たれたりすることがある。しかし、プチ断食は、そうした辛く苦しいイメージのある断食とは異なる。

水分は当然のことだが、私が体験してきたように野菜ジュースやヨーグルト、味噌汁などを口にしながらやってみればよい。自分の食欲がコントロールできる範囲でのプチ断食であれば、だれでもできるはずだ。

最近の検証では、太りにくい体質への改善や、生活習慣病の予防にもつながることが明らかになりつつある。食べ過ぎ飲み過ぎの翌日、「今日はプチ断食!」と考えれば、一層前向きなトータルでのコントロールの方法のひとつになる。

忙しい人のための死ぬまで太らないカラダの作り方
中田宏(なかだ・ひろし)
シンクタンク「日本の構造研究所」代表の傍ら、各地で講演活動を行う。「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系)など数多くのテレビ番組、YouTube「中田宏チャンネル」での政治・経済の分かり易い解説には定評がある。鍛えられた体は雑誌やテレビでも紹介され話題に。青山学院大学卒業後、松下政経塾を経て28歳で衆議院議員に当選、通算4期務める。37歳で横浜市長に就任し、改革を断行して破綻寸前の財政を再建した。

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