(本記事は、中田宏氏の著書『忙しい人のための死ぬまで太らないカラダの作り方』アスコム、2018年4月24日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
不眠は気にするな!眠れなくて死んだ人はいない!
不眠は突然襲ってくる。
仕事の都合で不規則な生活を強いられていたり、緊張や不安、ストレスだったり、体調の何らかの不具合でも寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったり、途中で起きてしまったりする。
●眠れないことを気にしないことが、寝付きをよくする
実は、私自身にもそうした経験がある。横浜市長時代がそうだった。日々、忙殺される仕事量、特にさまざまな改革に取り組んでいたので、議論に次ぐ議論で、明らかにストレス過多の状態に陥っていた時だ。
眠りが浅くて毎日が睡眠不足。気がはっていたから何とか仕事をこなしていたが、顔には疲れが出て人相も悪くなった。
時にお酒の力を借りて、眠りにつこうとしたこともあったが改善されず、ついに医者に不眠について相談した。その時、次のように言われたのだった。
「お酒で酔いつぶれて眠るのでは、気を失っていることと同じです。深い睡眠にならないから疲れは取れませんよ」
医者からは、睡眠導入剤を処方してもらったこともあった。それによってふっと眠りに落ちることはできたが、しばらくするとまた目が覚めてしまう。そして、医者から最終的に処方されたのは次の一言だった。
「中田さん、眠れなくて死んだ人はひとりもいません、眠くなれば自然に眠れますから、無理して眠ろうとしないことです」
それが、不眠に対する最高の処方だった。睡眠に対する心の持ちようである。「眠ろう」と意識するほどに眠れなくなっていたが、だれだっていずれは眠くなると言われて精神的に楽になった。
逆説的な言い方になるのだが、無理して眠らなくていいと考えるようになってから、楽に睡眠を取れるようになったのである。
十分な睡眠を取る習慣こそが、健康の第一歩である。しかし、もし寝付きが悪くなっても、それを気にしないことが良薬であることを知っておいてよかった。
カラダはお湯と手だけで洗うべし
カラダを温めることは、免疫力を高めるので、お風呂で湯船に浸かることも健康への第一歩である。
私が好む湯温は40度前後だから、比較的ぬるめのほうかもしれない。39度くらいでカラダを慣れさせて最後は41度くらいまで上げていく入り方が、私のカラダに合っているようだ。
●カラダ洗いはお湯と手で洗い流すのが基本
長風呂が好きな私だが、ボディシャンプーでカラダを洗うのは3日に1度である。シャワーで汗を流せばカラダの清潔は十分に保てる。タオルも使わない。ボディシャンプーを使う時も、手に石けんをなじませて、そのまま素手でカラダを洗うことにしている。
そもそも、人間のカラダは毎日洗うようにはできていないと聞いたことがある。毎日ボディシャンプーで洗うことは、肌を乾燥させるだけだという。タオルを使うことで、カラダを傷つけるリスクも高くなる。
ある家庭日用品メーカーが、東京、ニューヨーク、パリで働く20?30代の女性300名を対象に、「カラダを洗う際、何を主に使っていますか?」というアンケート調査を行っている。
それによると、ニューヨーク、パリともに、「手」が1位という結果になった。東京でも「手」で洗う女性は3割弱いたのだが、最も多かったのは「ナイロンタオル」で4割強だった。
ナイロンは皮膚より硬いので、肌への負担がかなり大きく、使い続けると、体質によって肌が黒ずんでくるという。
日本人は清潔好きだから、カラダをゴシゴシ洗いたいために「ナイロンタオル」を使う比率が高いのかもしれない。しかし、ナイロンタオルを使うデメリットのほうが高いと思う。
●ナイロンタオルは使わない
「ナイロンタオル」で力を込めてカラダを洗うと、肌のうるおいを守るための角質がはがれてしまったり、肌の水分が蒸発しやすくなったり、毎日続けるとやがてカサカサの乾燥肌になる。当然、女性に限らず男性も同じだ。
洗面所で手洗いをする時、ナイロンタオルを使うだろうか。手にハンドソープを付けて両手でもみ洗いするだろう。基本的にそれだけで十分に汚れや菌を洗い流せる。日ごろ、洗面所で手を洗う方法は、風呂でカラダを洗うことにも通じるのだ。
●「背中の手洗い」で、肩こり解消
タオルを使わず手で洗うという話をしていたら、背中に手が届かないという人がいた。私は、背中に手を回すことができる。これは、毎日手を使って背中を洗っているため、肩の可動領域が自然と広がっているからだ。
背中も手で洗うことで、肩の可動領域を広げ、同時に肩こりや、四十肩、五十肩になることを防ぐことができているように思える。手でカラダを洗うことは、肌と肩の健康に一石二鳥の効果があった。