(本記事は、滝内恭敬氏の著書『GOSPA目標達成の心理学』サンライズパブリッシング、2018年4月16日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
成功は90%考え方によって決まる
成功者は、なぜ成功したのでしょうか?
今手にしている結果は、紛れもなく自分の思考の積み重ねです。成功者は、成功の原理原則に沿った思考を実践してきたのです。その成功者のマインドからズレてしまうと、ズレた結果を手に入れてしまうのは当然のこと。
成功者は共通して前向きな心構えを備えているのです。
私たちは思考をコントロールすることが可能です。世の中には、思考は外部環境によってコントロールされていると思い込んでしまっている人もいますが、捉え方を変えることは大いに可能です。
思考が変わることで、抱く感情が変わります。その結果、行動が変わります。
例えば、成功の心理法則の一つに、「信念の法則」というものがあります。「心から熱意を持って信じれば、それは現実になる」というものです。
私たちは物事を色眼鏡で見ます。ある特定の人のことを、かっこよくて仕事ができる人と心底思っていれば、実際そうなっていくのです。
プロゴルファーのタイガー・ウッズは、競争相手の選手にも「入れ!」と念じるそうです。相手が外してくれた方が勝てるわけですが、潜在意識は自分と相手を区別しません。
そこでウッズは、他人にも同じように念じていたのです。
だから、一流の成功者は他人の足を引っ張るだとか、妬みや周囲を下げるような念は送りません。むしろ心から応援するのです。
他にも、「期待の法則」というものがあります。これは「期待を持って接すればそれは現実になる」というものです。
親が子に対して、もしくは妻が夫に対してどんな期待をしているでしょうか。
「うちの子はできが悪いから!」と言い聞かせているならば、それが期待の法則として働き、本当にできの悪い子として映ってしまうでしょう。
また、「夫はいつも手伝ってくれない」と文句を言い続けていると、妻にとってはずっと助けてくれない頼りない夫、という認識でいることになるでしょう。
さて、あなたは自分に対してどのような期待をしていますか?
「自分はすばらしい!」と期待していれば実際にそうなるでしょう。逆に、「自分はダメな人間だ…」と思っていたとしたら、望まずして実際にそうなってしまいます。
騙されたと思って、朝家を出る前に「今日も必ず絶好調な一日になる!」と20回言ってから外出してみて下さい。本当に絶好調な一日になります。というのは、信念の法則と期待の法則が働くからです。
要は、手にする結果は外部環境が作っているのではありません。すべて自分の心構えが原因なのです。
成功者は逆被害妄想家
「私には学歴がないから成功できない」という風に、学歴が成功には必要だと思い込んでしまっている人がまだまだたくさんいるようです。しかし、これは、心構えが後ろ向きなだけです。
逆に考えると、社会人経験を長く積んでいるという風に考えられるじゃないですか。
社会に出たことがない社会の先生や、経営したことがない経営学の先生、また経済的自由を実現していない経済学の先生から、使えない机上の空論の知識のみを4年間かき集めて遊び呆けてきた人に比べれば、社会に早く出て経験を積んできた人の方が、大学卒や大学院卒の人に比べたら実践のスキルに長けていることだってあります。
実際、学歴がなくてもビジネスでの成功者はたくさんいます。経営の神様である松下幸之助さんは小学校4年生中退です。
丁稚奉公で社会に出て、ビジネスの現場で実践を積み上げてきたのです。また、本田宗一郎さんの学歴は中卒。その他、ウォルト・ディズニーとフォードも中卒です。
要は、いかなる状態であってもすべては心構えで決まるということです。どんなことでも前向きに捉えることができます。
お金を失った→また稼げばいい、稼ぐスキルを高めるチャンスだ
離婚した→もっと素敵なふさわしいパートナーと出逢える
アポイントをドタキャンされた→急遽、休みができた!ラッキー!
成功者は、騙されやすい人です。つまり、自分で自分を騙すことがうまいのです。そして、すべての出来事に対して「自分は応援されている」「自分をよりよくするための出来事だ」とプラスに捉えられる人のことを、逆被害妄想家と呼んでいます。
成功者は障害、困難、コンプレックスを宝に変える
「人生にずっといいことばかりが起きてくれたらいいのに…」と思ったことがあるかと思いますが、人生には障害、困難がつきものです。ここでも逆被害妄想家になりましょう。
一般的に私たちが障害、困難だと思うことは、人間が主観的に「悪いこと」と決めつけているだけであり、本当は物事に善悪などありません。成功者は、いかなる出来事も前向きに捉え、チャンスにしてしまうのです。
例えば、競争社会に反対の人もいますが、別の考え方をすると、競争がなければ国や産業、業界は発展しません。
なぜ、稲盛和夫さんはJALを救済したかご存知でしょうか?
JALが潰れてしまうと、航空業界がANAの独占状態になることで競争がなくなり、日本にとってよくないだろうと考えたからです。
ビニールハウスで育った植物は弱く、日本固有の生物も弱い傾向があります。外来種など厳しい環境で育った生物はちょっとやそっとでは滅びません。それと同様に、人間もある程度の逆境や困難を乗り越える経験を踏んでおくことが大切なのです。
私は、人生はゲームだと思っています。
目に見えている結果なんてバーチャルな世界なので、何も怖がらなくていいのです。死ぬこと以外かすり傷、いや、死ぬこともかすり傷と思えたら無敵状態です。どうせ、何も持たずに生まれてきて、何も持たずにいずれは死んでいくのですから。
実際、逆境や困難な局面にあっても、喜ぶのか、悲しむのか、反応の仕方はあなた次第。
乗り越えられる課題しか私たちには降ってきませんので、この世で起こる出来事は新しい可能性を切り開く入り口のようなものです。
すべてをリセットできるなら、あえてまた同じ選択をするだろうか?
夢を思い描く際に、過去の延長線上で未来を描いてしまう人がいます。しかし、多くの場合、過去の経験は望む未来を実現する際の足かせになってしまいます。
例えば、「私は学校で〇〇を学んできたから」「私は〇〇の仕事をしてきたから」「私はずっと〇〇ちゃんと一緒だったから」「私はずっとこの会社に勤めてきたから」などの、過去の出来事に縛られるばかりで、自分の望む未来に進もうにも進めない状態になってしまっていませんか?
もし、人生をリセットしたとして、それでも今手にしているものをあえてまた選ぶのか?つまり、今の仕事、今のパートナー、今の環境をあえてまた選ぶのか?ということです。
イエスであればそのまま続行で、ノーであれば今すぐやめる。これを「ゼロベース思考」と言います。ゼロベース思考を実践することで、本当に望むことが見えてくるのです。
例えば、「好きなことで月100万円稼ぐこと」が目標なのであれば、今までの好きだったことを引っ張り出してくるより、まずは月100万円稼げる仕事をやってみて、とことん挑戦していく中で自然と好きになってしまうこともあり、もし、好きになれなかったら、その稼いだお金と自由な時間で好きなことをやればいいだけで、その方がよっぽど早くに目標を達成できるのです。
そうは言っても、なかなか過去をすっぱり断ち切ることは簡単ではなく、過去を引きずって大きな荷物を背負いながら人生を歩んでいる人が数多くいます。
「今までもやり続けてきたから」という言い訳が定番です。
しかし、手放すことができない人は、手に入れることもできません。
ビジネスだけでなく、パートナーについても同様で、長年一緒にい続けたからというのは今後も一緒にい続ける理由にはなりません。
人生のあらゆる場面において、明確な判断を下すためにも現在と過去を切り離して考える力が求められます。