(本記事は、滝内恭敬氏の著書『GOSPA目標達成の心理学』サンライズパブリッシング、2018年4月16日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
準備をする暇があったら実践をしよう
起業準備として、まずは会社員経験を積みたがる人がいます。
しかし、結論から言うと、会社員経験は起業にまったく活きないケースがほとんどです。もっと言うと、時間の無駄になるだけです。
会社員経験を長く続ければ続けるほど、起業はしにくくなります。頭は固くなり、安定志向に陥るからです。
仮に120%用意が整ってから起業したところで、初めからうまくいくなんてことはほとんどなく、改善を繰り返していくことには変わりないのです。であれば、時間を最優先にして、60%程度の準備でまず取りかかってしまう方が賢いのです。
大事なのは、準備ではなく、実践です。頭で考えて結果を出すのではなく、動いてみて結果を肌で感じるべきです。
私はよく、「いい起業家=悪い会社員」と言っています。ビジネスを最優先させるために、有休消化は当然です。
足りなくなれば、欠勤を使えばいいのです。という私は、残業を絶対せずにやるべきことを時間内で終えていたので、ある意味ではかなり生産性の高い、いい会社員だったかもしれません(笑)。
副業がバレて、クビになるのが怖いという人がいます。このように言っている人ほど、何も実践していないのです。そりゃあ、安定収入が一気になくなるのですから、怖くて当然でしょう。
もし、土日だけで安定して月100万円稼げていれば、会社員を辞めることが怖いですか?
お化け屋敷をゆーっくり歩いて進むと怖いですが、一気に駆け抜けるとそうでもありません。
「仮にクビになったとしても大丈夫」と思えるように早いところ売上を上げておけばいいのです。まだまだ副業禁止の会社が大半ですが、時代的にも、副業が当然になってきていますし、会社はあなたの人生を保証してくれません。
周りが見えなくなるのはいいこと
今から10秒間で、周囲の赤いものを10個探して下さい。
…ハイ。
今、赤いものばかりに集中してもらいました。同時に、緑のものを見つけられましたか?きっと、意識していなかったと思います。
赤いものだけに意識を向けると、赤いものばかりが目に入ります。他のものは視界から除外されます。要するに、脳は、見たいものを見るのです。ということは、盲点が生まれるということになりますよね。
学校で好きな女の子ができたら、その子だけをずっと見て、授業中も先生のことが目に入らなくなります。
逆の例としては、車で通い慣れている道であっても、自転車や徒歩で通ってみると、「こんなところにレストランがあったのか!」と、今まで目に入らなかったものに気づき、新しい発見をすることがあります。
人生の進展速度が速い人は、ある意味周囲が見えていません。これをいい様に使えばいいのです。
明確な目標があると、人生の速度が上がります。目標に関わること以外が見えなくなり、もしかしたら今まで見えていたものが見えなくなっているのかもしれません。
だからこそ、集中力が高まり、達成の速度も格段に高まります。
これを恐怖と捉える人もいます。何も見えなくなることが怖いと感じるのでしょう。しかし、怖いと感じるのは暗いトンネルをゆっくり走りすぎているだけの可能性もあります。
ギアを変えて、スピードアップすることが突破口になることも多いのです。
オーナー感覚で生きる
オーナー感覚とサラリーマン感覚があります。
小学校、中学校、高校、大学に普通に通っていると、サラリーマン感覚になります。
これを勉強しなさい、この宿題をしてきなさい、ああしなさい、こうしなさい、と親や先生から与えられたことだけをやっていればよかったのです。
こんな状態を10年以上過ごしていると、とりあえず舗装されたアスファルトを歩けばいいと勘違いをしてしまいます。
オーナー感覚。これは言い換えると、自分のビジネスを中心に、人生を構築することができるのか?ということになります。
サラリーマン感覚のままだと、「誰かが助けてくれる」という風に他人頼みで生きたり、「時代のせいだ、環境のせいだ」と、自分があたかも何かの被害者かのように考えてしまうことがあるのです。これでは、自分の人生のコントロール権は外部にあり、自ら舵を取ることが難しいのはおわかり頂けるかと思います。
なので、サラリーマン感覚の人ほど、親の保護やサポートを平気で受け入れてしまいます。
もちろん、一時的なことであれば例外ですが、ずっと実家に住んでいる、人のせいにする、経済的に親に頼り続ける、会社の愚痴を言うのに固定給をもらい続ける、これはすべてサラリーマン感覚です。言葉を変えると、依存人間のままということです。
自分の管理ができないのに、なぜ自分のビジネスの管理ができるのでしょうか?
では、オーナー感覚になるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、すべてが自己責任だと考え、言い訳や他人の非難、自己正当化とは絶縁し、すべてを自分で決断することです。そして、起業する場合は、最終的には固定給をも断捨離することになるのです。
フルコミッションセールスの業界の中でトップ1%に入れる人は、間違いなくオーナー感覚です。サラリーマン感覚の人は絶対に生き残れないため、2年で8割が消えていく厳しい世界です。
トップ1%に入れる人の思考は、ビジネスを中心に自分の人生を構築している人です。しかし、サラリーマン感覚の人は、与えてもらうことを待っているままで、たいして稼げない人です。
本当に自分の望む結果を手にして、経済的、時間的、精神的自由を手に入れたいのなら、すぐにでもオーナー感覚になるべきです。
どの分野で起業すればいいのか?
何で起業していけばいいのか悩んでいる人は、以下のものがすべて網羅されていることを確認して下さい。
・究極の夢につながる分野
・興味があり、好きな分野
・才能が活かせる得意な分野
・自身の経験が活かせる分野
・ライバルがいない分野
・世の中のニーズがある分野
一個でも欠けていると、起業が厳しいのが現状です。
まず、好きなことに取り組んでいると生産性は高まります。さらに、得意なことだとパフォーマンスが高くなり、結果を出しやすくなります。
また、提供するサービスの価値が最も高くなるように、ライバルがいない分野に参入するべきです。大手企業がやればいいというようなサービスであれば、個人が起業しても負けてしまいます。
最後に、ひとりよがりのビジネスでは売上につながりません。顧客のニーズが大前提です。好きなことで起業したものの、誰も求めていないビジネスなのであれば、好きなことも好きでなくなってしまいます。
この中でも後回しにしても大丈夫な項目は、好きな分野です。
結局は好きなことで起業するのがベストなのですが、仮に今までの経験の中で好きなことがなくても、得意な分野、ライバルがいない分野、ニーズがある分野が網羅されていれば、とことん打ち込む中で、そのビジネスを好きになる可能性が大いにあります。
また、得意なことについても、まだやったことがないことに挑戦することで思わぬ才能が開花する可能性もあります。ここでも大量行動が鍵です。