高校生

ファンドの選び方

高校生,トウシル
(画像=トウシル)

ひな:ファンド選びは、「資金が流入するファンド」に注目だったよね。

しんた:そのためには「人口」がポイントで、「中国」が世界一「人口が多い」って教えてもらったね。

ひな:先生、私、「投資」と「人口」で検索してみたんですけど、投資家で人口を気にしている人は多いみたいです。人口が多ければ、輸入額や輸出額が大きくなるから、世界の経済の中でインパクトが大きくなる、ってことですね。

先生:そうね。やっぱり、アメリカより「人口」が多い中国とインドは、今後も注目ってことね。

中国に注目!

先生:しんた君、前回に話した「中国」について、何か分かったことある?

しんた:人口が多い国への投資を考えて、「中国」と「株式市場」で調べました。そうしたら、財務省が発表したレポートに、「米MSCI 社は新興国株価指数に中国本土A株の組み入れを決めた。当面の影響は限定的であるとの見方が強いがこれが資金流入につながるかどうかが注目される」って書いてあったんです!

先生:「資金流入」が実現するなら、中国への投資のチャンスがあり得るってことね。しかも、情報の出所が財務省なら信ぴょう性が高い。

ひな:あの…。MSCI? 中国本土A株? 何の話?

しんた:あ、ごめんごめん。順番に説明するね。まず、「米MSCI社の新興国株式指数」の部分。前提として、世界各国の大きな資金を動かしている年金運用の人たちは、「指数」を使って運用しているケースが多いみたい。

先生:ひなちゃん、「指数」って、「日経平均株価」や米国の「ダウ平均株価」とかね。

ひな:はい。聞いたこと、あります!

しんた:その「指数」は、いくつかあるんだけど、中でも最もよく使われていると言われているのが、アメリカで世界的な指数を算出している金融リサーチ会社である「MSCI」社の「指数」。
そのMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社の「指数」の中に中国A株が入ったってことは…。

先生:つまりは、年金運用の人たちの大きな資金の一部が、「中国A株」に流入する、ってことになる!

ひな:え!? 中国って、世界の株価の指数にまだ入ってなかったの?

しんた:いや。中国の株式市場って、下の表のように、H株、A株、B株の3種類あるんだ。これまでは、海外の投資家は、H株とB株は投資できて、A株だけは投資制限がかかっていたんだ。

中国の株式市場(2017年6月末現在)

表1
(画像=三井住友アセットマネジメント社資料より、楽天証券作成)

ひな:投資できていなかったA株の割合が多いね。

しんた:そうなんだ。ところが近年、中国が徐々に海外投資家がA株に投資できる体制を整えてきたことを背景に、「MSCI」社が指数にそのA株の組み入れ開始を発表したんだ。それが2017年6月。

ひな:今後、中国の影響が世界に広まりそう!

先生:そうなるわね。

しんた:資料によると実際、昨年2017年の発表から1年経った今年の6月と8月に、中国のA株の組み入れが開始。その結果、MSCI社の新興国株式指数に0.7%の組み入れとなったんだ。

ひな:おおー。なんだか、ワクワクするね! つい数カ月前に始まったばかりなんて!

しんた:ところがなんと、組み入れが終わったばかりの9月26日、来年はさらに組入比率を高めるための検討を開始する、とMSCIが発表! 先生:勢いあるね~。

しんた:そうなんです。今度は最大で2.8%程度になるみたいですが、他の国の例からすると、いずれ14%まで組み入れられる可能性があると。

ひな:14%って?

しんた:ちょっと古い、1年位前の記事によると、2018年の今回が200億ドル弱、最大で3,400億ドルを超えるのではないか、とMSCIの幹部が発言していたみたいだよ。

ひな:200億ドル弱…って?

先生:約2兆円ね。

ひな:に、にちょうえんですか?

しんた:ひなちゃん、ひらがな読みになってる。

先生:中国の市場開放次第でざっと34兆円を超える資金の流入が見込めるわけね。

ひな:さんじゅうよん。。。

しんた:そうなんです。一大事、ですよね。

先生:一大事ね。

しんた:ところが、組み入れが始まった今年、中国株は全体的に20%くらい下落しているんだ。

先生:トランプ攻撃(貿易戦争)が止まらないから、かしら。

しんた:一番はそれだと思います。そのほかもありそうですが。

先生:既に先回り投資が行われていたとかね。

しんた:先生、ぼくが思うに…。

ひな:かえってチャンスが広がった、と思います。ってか?

しんた:あー、せっかくかっこよくキメようと思ってたのにぃ。

先生:あはは。これから数年かけて、徐々に資金が流入していくわけだから、長期投資を開始するには、いい機会、かもね

しんた:ぼくもそう思いました。長期で積み立てをすればあまり相場に左右されない、っていくら言っても、やはりなるべくなら資金流入が見込める=徐々に上がる可能性が高い資産を選ぶことと、なるべく安い値段のときに開始するほうがいいと思うんです。
そういうわけで、今日は間に合わなかったんですが、中国関連のファンド、いくつかピックアップして、どれが良さそうか、検討しているんです。

先生:あら、じゃあ、続きを教えてくれるのね。

しんた:もちろんです。先生、次回も参加、お願いします。

ひな:次回も楽しみ!

覆面ファンドマネージャー
楽天証券 投資運用室
大手銀行で運用業務やファンド選定業務などのマーケット関連業務に約20年携わり、投資業務や運用業務などを行ってきた。現在は、楽天証券の「楽ラップ」などの投資・運用業務に従事している。

(提供=トウシル

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