昨日の帰りには雲にかすんだ月が見えましたが、株式市場は依然として闇の中という感じです。ただ、よく言われることですが、皆が弱気になったところが底ということもあり、しっかりと下落の要因を把握しておけば、反発の兆しを抑えて戻り相場に対処できると思います。ソフトバンク(9434)の質問もまだいただきますが、やはり、「2兆6千億円」のしこりは大きいと思います。市場からそれだけの資金が吸い上げられたと考えれば、東証での1日分の買い金額が無くなったという計算で、新たな参加者が入らなければ市場の好転は見込めないという感じです。

そうなると「買い手」として考えられるのは「買い戻し」であり、空売りの多い銘柄等から買い戻されて相場を押し上げるということが期待されます。今朝の新聞では2015年夏の相場との類似が言われていましたが、ちょうど今年3月の相場と同じとなるのではないかと思います。3月25日に引け値ベースでの底値を付け、翌26日に切り返してからは空売りの買い戻しでじりじりと上昇したということがありました。主力銘柄に空売りが積み上がるかどうかということなのでしょうが、昨年10月や今年の4月のようなじり高相場を考えておいても良いのではないかと思います。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

米国株の下落が止まらず、日本株も連れ安となりそうです。新聞では2015年夏の相場との類似性を言われていましたが、やはり、今年2月、3月の相場と同じではないかと思います。いずれにしても2015年以降の暴落は米国金利の上昇が要因ということなのですから、FOMC(公開市場委員会)の結果を織り込んだと考えればここで下げ止まっても良いと思います。

いずれにしても昨日の下落は多分に「持高調整」の売りと考えられます。年末までに株を売ろうと考えていた向きも、実際には米FOMC(公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合、そしてソフトバンク(9434)の上場というイベントがあれば、「最後の賭け」ではないですが、結果を見てからの売却と考えるのではないかと思います。もし、そういうことで売られているのであれば、今度はクリスマス休暇前の買い戻しが入るということであり、日米ともに週末高を期待しても良いと思います。ちょうど、3月の25日と26日のような展開になることが期待されます。

売られ過ぎ銘柄がさらに多くなりました。10月、11月と違って高値圏からの急落ではないので、売られ過ぎ感があまりないかもしれませんが、「まだはもうなり」ではないですが、掉尾の一振に期待しても良いのではないかとおもいます。引き続き商社株や食品株などで持高調整で売られた銘柄等に注目です。個別には極洋(1301)やパナソニック(6752)なども注目されます。

パナソニック(6752)は心理的な節目と見られる1,000円を割り込みましたが、出来高もできており底入れ感が出てきても良いと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。