本当に陽の短さを感じる季節ですが、街中のクリスマス気分と反対に株式市場は大きな下落となっています。リーマンショックといわれた一連のサブプライムショックなどを含めた動きと考えると水準も日経平均の動きも全く違うのですが、「リスク回避」という雰囲気は似ている感じです。つまり「株式投資は儲からない」という雰囲気でもあり、ここからは株価の下落要因が企業業績に影響してくるのかどうかが注目されます。

米国企業の業績が頭打ちになり、買われ過ぎたものの修正といううちは良いのでしょうが、株価の下落が業績の落ち込みを先読みしていたといわれるような水準まで下落すると今度はリーマンショックの時のように売られ過ぎまで売られるということになるのでしょう。現状のところではまだぎりぎりの水準だと思うので、ここで暴落の原因となった「トランプリスク」や「貿易摩擦懸念」の払拭が見られるかどうかということだと思います。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(画像=PIXTA)

依然として米国株の下落が止まりません。「リスク回避」の動きということで持高調整の売りも出ているのだと思いますが、ここへ来て改めて「トランプリスク」が顕在化しているということです。米国株の下落が止まらないと日本株の下落も止まらないということなのでしょうが、「リーマンショック」時と同じ様に原油価格の下落が見られるなど、とにかく「リスク」のあるものから逃れようという動きであり、「リスク」が取り除かれない限り、つまり、トランプ大統領の攻撃的な姿勢が変わらない限り、下落が止まらないということになりそうです。

トランプ大統領が何を言っても米国経済は落ち込まないということであれば良いのでしょうが、ここへ来てトランプ大統領の言動の「リスク」の実体経済への影響が取りざたされています。米中貿易摩擦の影響だけでなく、利上げの企業業績への影響も取りざたされているということなのですから、混乱はまだまだ続くと思います。

売られ過ぎ銘柄が多い割にはさらに下落が続きそうですが、さすがに底堅さが見られるものも出てきそうです。単純にPER(株価収益率)だけで見るのもどうかと思われそうですが、ここは素直に「業績の割に売られている銘柄」ということで良いのだと思います。森永乳業(2264)などの食品株や武田薬(4502)などの医薬品株のようなディフェンシブ銘柄に注目ですし、引き続きパナソニック(6752)などさらに売られたところは割安感が出ていると見ても良いと思います。

パナソニック(6752)は心理的な節目でもある1,000円を割り込んで上ひげ線となり、底堅さも期待されます。先週末の安値を割り込んでも切り返してくるようであれば底入れとなるかもしれません。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・アルゴナビス)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。メールマガジンも配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。