また、先週末終値である2万359円の株価水準にも注目する必要がありそうです。

■(図3)日経平均(週足)の動き(2019年1月11日取引終了時点)

図3
(画像=MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成)

以前のレポートでも、中期的な日経平均のチャートの形がいわゆる「ダブルトップ」の天井パターンになっていて、2016年の半ばから始まった上昇トレンドがいったん終了している旨を紹介しましたが、そのダブルトップのネックラインとされるのが、昨年(2018年)3月26日安値の2万347円です。

つまり、先週の値動きがネックラインの水準を十分に上抜けできておらず、このまま反発が継続するのか、ネックラインで再び下落へと跳ね返されてしまうのか微妙な位置取りになっているわけです。

先週の株価反発のきっかけになった、米中摩擦の改善期待や金融政策への期待などの材料で相場が持ち直すという構図は、その後の警戒感の盛り返しで下落する「いつか来た道」の既視感があるため、強気に傾くにはまだ慎重にならざるを得ませんし、また、国内外の決算シーズンが本格化するにはまだ少し日があるほか、EU離脱の採決が英国で控えていることによる様子見モードも、こうした日経平均の微妙な位置取りとなって現れているのかもしれません。「取りあえず戻せるところまで戻して、次の展開待ち」の状況と言えます。

しばらくはこの株価反発の流れに取りあえず付いて行くのが基本的なスタンスになるかと思いますが、ムードが変わりやすい地合いであることに留意しつつ、割り切って対処することが必要な局面と思われます。反対に、軟調な展開となった場合には、再び200週移動平均線がサポートとして機能できるかが焦点になりそうです。

土信田 雅之(どしだ まさゆき)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト
1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。国内証券会社にて企画や商品開発に携わり、マーケットアナリストに。2011年より現職。中国留学経験があり、アジアや新興国の最新事情にも精通している。

(提供=トウシル

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