(本記事は、斎藤智明氏の著書『絶対に知られたくない! 不動産屋の儲けの出し方』ぱる出版、2019年1月11日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

不動産投資を成功させるための絶対条件

絶対に知られたくない! 不動産屋の儲けの出し方
(画像=g-stockstudio/Shutterstock.com)

●掘り出し物の物件情報があなたのところへ届かない理由

良い不動産屋を見つけたら、次に必要になるのがその不動産屋とのつきあい方です。

物件の賃貸・購入時もそうですが、不動産投資で成功するための重要な要素が、この不動産屋との上手なつきあいができるかどうかにかかっています。

「今後もつきあえる“かかりつけ医”のような不動産屋を見つけること」が必要となってくるわけです。

不動産の相談ならこの人という人を見つけ、信頼関係のあるつきあいができたなら不動産投資家としての成功へ大きく進んでいけると言ってもよいでしょう。

成功している不動産投資家には、こうした“かかりつけ医”のような不動産屋を味方につけていることが多いのです。そのような不動産屋は掘り出し物の物件情報を優先的に紹介してくれるだけでなく、節税対策や様々な問題の処理など多岐にわたり相談ができるのです。

不動産屋と上手につきあうには、何といっても担当者と「会うこと」につきます。

不動産屋にとって売主や大家としてつきあってくれる人のところへは、とにかく足繁く通い、顔を出し、覚えてもらうことが信用に繋がるため、不動産屋はとにかく「顔出し」を大切にするのですが、実はこれは「購入したいお客様」にとっても当てはまることなのです。

不動産を購入する側のお客様である自分もまた不動産屋によく顔出しをして仲良くなっておくことが、良い情報を得られる秘訣でもあります。

不動産屋も人間ですから、実際に顔を見せて相談しに来てくれた人には良くしてあげたいと思うものです。

担当者がいい物件情報を入手した際に「お客様の誰から紹介しようか」となった際には、やはり、こまめに来てくれる人を思い浮かべると思います。「こんな物件ならあの人に教えてあげたいな」と思われるようにしておくことが重要です。

そのための簡単で効果的な方法が実際に会ってよく話をすることです。

以前には「安くて良いと思う物件をサッサと出せよ!」とかなり上から目線で営業マンにすごんでいるお客様に遭遇したことがありますが、営業マンたちもそういう方とのおつきあいは疎遠になるのも仕方がないのかと思います。

不動産投資だけでなく、地域に根差した商売をしていて新しい場所を借りる必要が出てきたとき、普段からのかかりつけのような不動産屋があって、その会社の事業内容や年商などの内情まで理解してくれていれば、「これ、あなたにぴったりだよ」と自分に合った物件(それが「掘り出し物」ですよね)を紹介してくれるということもあり得る話です。

以前、私が書いた『サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?』の題材にもさせてもらった、「サザエさん」に出てくる「花沢不動産」はまさにそうしたスタイルの街の不動産屋であると思います。

不動産屋とお客様の関係が密で、お客様の方も花沢不動産にちょこちょこ顔を出すことで、雑談をしながらも不動産屋に対して物件を紹介するにふさわしい人物だという印象を与えていくのです。

不動産屋が信用できるかという視点で書いてきましたが、お客様側からも信用を得る努力をすることで「掘り出し物」を紹介してもらえるかどうかが決まってくるのです。

「掘り出し物」の物件情報を得るための方法ですが、本当に掘り出し物だとしたら不動産屋自身がその物件を欲しいはずですよね。

転売物件だとしたら高値で売れるはずです。そんな「掘り出し物」なら人の手に渡すよりも、自分のものにしたくなるのでは?という疑問がわきませんか。

確かにその不動産屋にとっての「掘り出し物」であれば自己資金で購入することもあります。

しかし、不動産屋が物件を購入するために融資を受けたいと考えたとき、悲しいことに信用が低いことから金融機関がお金を貸してくれないことが多いのです。

「掘り出し物」の物件があったとしても自分で資金を用意することができなければ、購入できないケースが多々あるのです。

実際のところ「掘り出し物」は店頭やネット上に掲載されたり、REINSに公開されることはあまりありません。

表に出ないまま売却されていくこともあります。

その理由のひとつに、安くて優良物件といわれるものには「債権処理」いわゆる「任意売却」に関わるものも多いということが挙げられます。

「債権処理に関わる」ということは、ローンの支払い(返済)ができず債務不履行になったということです。売主には借金のカタに家を売却することになった事実を人には知られたくないという思いがあります。

近隣やましてネット上に公開されることを拒む傾向にあります。

また、そのような物件は債権者である金融機関が主体となって売却が進むのですが、金融機関が担保解除(抵当権を外す)金額を公開することも少ないため、公にされることなく人知れず処理されていきます。

不動産屋にはこうした優良物件の情報も入ってきますので、その際には購入できそうなお客様にこっそりと「こんな物件が出ましたよ」と耳打ちし、表に出ないうちに売却されていくのです。

その際に、一番に思い浮かべてもらうお客様になっておくことが、不動産投資での成功者への道なのです。

「この物件ならこの方の希望と資産状況に合うな」と、物件にふさわしい人として不動産屋の担当者に思い浮かべてもらうには「自分の情報」をしっかりと伝えておくことが重要です。

不動産屋がまず頭に思い浮かべるのは購入した実績のあるお客様です。その方の資金、ローン、心構えが把握できているので契約に結びつきやすいのです。

その不動産屋から一度も購入していないときには優先順位がどうしても低くなってしまうため、自分の購入意思、資産、勤務先などの属性をはっきりと伝えておくことが大切です。

その際も、口頭ではなく書面にして不動産屋が忘れないように伝えておきましょう。

絶対に知られたくない! 不動産屋の儲けの出し方
斎藤智明(さいとう・ともあき)
実父の不動産に関する相続・投資での失敗を目の当たりにした際、自分が何もできなかったことを機に、不動産のことで困っている人のための「駆け込み寺」になりたいと思い不動産業に従事する。宅建試験の講師も勤めている。著書に『誰も教えてくれない「不動産屋」の始め方・儲け方』『不動産屋が儲かる本当の理由としくみ』(弊社刊 著者名:齋藤孝雄)、『サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?』(宝島社)などがある。

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