経済や市況の動きをみていると、時折面白い指数があるのをご存じでしょうか。有名なところでいえば、ビッグマック指数やスタバ指数などがありますが、これ以外にも、リップステック指数、スターバックス・トールラテ指数、iPad指数など、世界には面白い指数がたくさんあります。20代から40代の資産形成層にとって、今後自分の資産をどのようにするのかを考えることは重要です。そこで今回は、世界にあるさまざまな指数について一緒に学んでみましょう。
世界の物価の状況が分かる、有名なビッグマック指数
まずは有名どころのビッグマック指数です。ビッグマックはご存じのとおり、マクドナルド社の主力商品のひとつです。マクドナルド社は世界中に数多く店舗を構えていますが、各国での販売価格と、通貨の購買力を数値化したものがビッグマック指数です。
イギリスの経済誌『エコノミスト』が毎年公表しているビッグマック指数は、もともとは1986年にジャーナリストのバム・ウッダル氏によって考案されました。これは各国の物価から購買力平価を算出して、ビッグマックの価格を踏まえて計算しています。
ビッグマックはさまざまな原材料が使われており、材料を輸入に頼る国もあれば輸出に頼る国もあります。これに為替の動きを加えた動向が反映されたビッグマック指数は、その年の各国の動向を示しているとして、分かりやすい指標だといわれています。
女性の美への意識の高さが伺える、不況に強いリップステック指数
次にご紹介したいのは、エスティ・ローダー社のレナード・ローダー氏(前会長)が考案したリップステック指数です。リップステック指数とは、「不況時には女性が小さな贅沢品であるリップスティック(口紅)を沢山買う」という理論に基づいて考案されたものです。
先のリーマンショック中に、この理論は的中することとなりました。高級ブランドの口紅の売れ行きは下がるどころか上がったという統計があります。口紅はファンデーションや美容液などに比べて、高級ブランドであっても一般的には安価です。そのため、もしかすると「美容液はランクを落としても、口紅くらいはいいものをつけたい」と思う女性の美への意識の高さとプチ贅沢感が、不況時の化粧品業界を下支えして、リップステック指数を作り出したのかもしれません。
景気が悪いと夫婦仲は好調?離婚率指数
次に離婚率指数をご紹介します。離婚率指数とはその名の通り、離婚率を指数化したものです。アメリカのアブドゥッラ・チョードゥリー教授(マーケット大学)が、ある一定期間(1978年殻2009年)の間のアメリカの離婚率を分析した結果、景気がよくない時期の方が離婚率は少ないという結果を導き出しました。この指数はさらに長い期間を分析すると、より正確性が増す可能性もあります。景気が悪い時というのは、景気減退期のことを指しますが、その時期は離婚せずに夫婦で何とか不況下の生活を乗り切ろうという意識が芽生えるようで、離婚をしない決断をするということのようです。
確かに景気がよくないときには、1人よりも夫婦共働きをして収入を稼ぐ方が、世帯全体としても収入がある状態になります。加えて、打算的かもしれませんが、景気が良くない時に離婚しても、慰謝料を請求しても支払えない可能性を考える人もゼロではないのかもしれません。
まだまだある世界のおもしろ指数
今回3つの指数をご紹介しましたが、世界にはまだまだおもしろ指数がたくさんあります。さまざまな指数がありますが、すべての指数をエコノミストが提唱しているわけではありません。ビッグマック指数はジャーナリスト、リップステック指数はエスティ・ローダーの前会長が提唱するなど、職種や立場はバラバラです。共通していることは、動向を鋭く読み取り、指数化し、分析して結果を発表していることです。ひとつひとつのことに対して、視点を変えると、おもしろ指数のように何か新しい発見が見出だせるかもしれません。(提供:J.Score Style)
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