予定は「1カ月」より「2週間」ごとに俯瞰しよう

手帳術,高塚苑美
(画像=THE21オンライン)

手帳は予定を書いて「埋める」ものだと思っている人は多いのではないだろうか。複数の会社を経営し、毎週のように出張もこなす高塚苑美氏は、手帳とは、予定で自分の時間を「埋めない」ために使うものだという。では、そのために何をどのように書くべきなのか。「自分の時間を作り出す」ための手帳術についてうかがった。(取材・構成=林加愛)

手帳の目的は「時間の可視化」

手帳を開いて、びっしり予定が埋まっていると「カッコイイ」――そんなふうに思っている人は多いかもしれません。

しかし、そうした詰め込み型の仕事は、いずれ疲弊を招きます。なぜなら仕事には「予定外」がつきものだからです。手帳に書いていなかった突発事項に追われるうち、全体がどんどん後ろ倒しになり、残業や休日出勤へとずれこむのです。

しかも立場が上がるほど、予定外は増えるもの。急なミーティング、部下のフォローなど様々なニーズが多発的に起こり、あっという間に自分の時間がなくなります。

私自身も、そうした経験をしてきました。そこで始めたのが、手帳の使い方を180度転換させることでした。「埋める」のではなく、時間を「作る」手法へと変えたのです。手帳を見て、「どこで時間を取れるか」がすぐにわかり、自分の時間を確保できること。単なる用事の羅列ではなく、「働き方」まで管理すること。これが私の手帳の使い方です。

つまり手帳を使う目的は、時間の可視化。この目的を果たす上では、デジタルよりも紙の手帳のほうが便利です。スマホの画面では俯瞰がしづらく、パソコンは起動に時間がかかります。

ただ、デジタルには「予定の共有」ができるという利点がありますので、スタッフと共有する必要のあることはデジタルに入力する、といった具合に使い分けています。

3色の色分けで「生産性」が見える!

先述した「働き方の管理」ができる手帳の使い方について、具体的にお話しします。まずは、マンスリーページの記入方法についてです。

月の予定を立てるとき、私は最初にプライベートの時間を確保します。ジム通い・趣味・ディナー・今後のために必要な勉強など。具体的な内容を入れずにただ「休み」にする日もあります。

ここでポイントになるのが、色分けです。これらのプライベートは、すべて緑色で記入します。仕事は黒で記入しますが、黒の合間には、ちょくちょく赤色の文字や下線が登場します。

この赤色は生産性の高い仕事を意味します。商談・企画提案・講演など、売上に結びつく仕事です。色分けすれば、ひと月のうちどれだけ生産性のある仕事をしているかが一目瞭然。赤が少ない月は少々焦らなくてはならない、というわけです。

これは輸入車の営業に携わっていた頃に考えついた方法。成績を向上させるには、ある程度長めのスパンを視野に入れ、その中で生産性を高めることが決め手だったのです。