予定は1カ月ではなく「2週間」で管理すべき
同時期にもう一つ始めたのは、ひと月を前半・後半に分割する考え方です。
営業マンはしばしば、月初はボンヤリ→中盤でエンジンがかかる→月末に必死でノルマに追いつく→翌月初は疲れが取れずまたまたボンヤリ、というサイクルに陥りがちです。これは本人の精神衛生上も悪影響が大きく、仕事にも会社の業績にもムラが出るモトになります。
ですから私は、前半2週間の最後にも締め切りを想定して動くことにしていました。現在も、前半に片づけるタスク・後半で片づけるタスクを2分し、質量ともに均すようにしています。
ひと月の2分割=2週間というスパンは、時間確保の見通しを立てるのにちょうど良い長さです。たとえば週の半ばで体調を崩した際、その週以内に遅れを取り戻すのはかなり困難。木曜金曜は残業、週末返上、そして体調も回復せず……とこれまた悪いサイクルに入ります。しかし翌週まで視野に入れると、どこかで休むことは可能だと気づくはず。どんなに多忙な人も、向こう2週間ビッシリということはまずないものです。
もしもビッシリならば――そのときこそ、前述の「休み」をあらかじめ手帳に記入するワザを実践していただきたいところ。私は2週間の中に必ず一度、この休みを入れるようにしています。
「予定外」の時間も予定に組み込める!?
紙面を俯瞰しながら時間を作るのは、ウィークリーのページでも同じです。
マンスリーと同様に緑・黒・赤で色分けし、日曜の夜には翌週のページを開いてその週の生産性をチェック。空けておきたい時間も、この時点で確保します。
とりわけ意識して割くのは、部下のための時間です。
部下の「ちょっとお時間いいですか?」はひっきりなしに発生する上、部下のニーズに伴って起こるのでこちらで予測することができません。その都度対応し、気付けば1日が終わっていた、となる方も多いのではないでしょうか。
つまりは「予定外」の代表格とも言えるわけですが、ならば「予定内」に組み込んでしまえばいいのです。すなわち、あらかじめ部下専用の時間を作る作戦です。
先に自分の側で予定を決め、「相談は明日の15時から17時まで」と周知する予約制なら、急な要請に追われることはありません。
なお予約を受ける際は、テーマを先に聞いておきます。そして当人が何をしたいか、こちらに求めるものは何かを整理しておいてほしい、と伝えます。すると当日は双方が最短の時間で目的に達することができます。
予約が入らない週もたまにありますが、その場合は、悩んでいそうな部下にこちらから声をかけるようにしています。部下のフォローや育成は上司の重要な義務ですから、ここは自分の仕事に置き換えず、できる限り「部下の時間」に徹するよう心がけています。
「パッケージ化」で所要時間を把握
このように、時間を作るには「あらかじめ」書き入れることが最も重要ですが、そこからさらに空き時間を創り出す工夫もできます。それは、「細部まで書き込む」という方法です。
私が使用している手帳は、縦軸で時間を刻めるバーチカルタイプ。各業務の所要時間が見て取れる上、細かく記入できるのがメリットです。
この特徴を利用して、私は一つの仕事を、それに伴う業務まで合わせて書き込むようにしています。
たとえば会議は、その席についている時間だけでなく、「アジェンダの作成」「議事録の作成」など付随する用事が必ずあり、それらはいずれも発生することが予期できます。ならば会議を開くとわかった時点で付随の仕事の時間まで組み込むのが得策。この「パッケージ化」によって、正確に時間を把握できます。
外出の際も同様に、「○○社で打ち合わせ」だけでなく、その前後の移動時間も記入します。
出張が多いので、日付の傍らに行き先を書くのもマイルール。目につく場所に「大阪」「沖縄」などと書いておけば、移動時間のイメージがわきます。するとその間に何ができるか、移動中にできないことはどこでリカバーするか、と意識できます。