質の良い眠りを得るための環境②

④枕の環境【2】

玄関マットとタオルケットで快眠生活が手に入る

高さ・硬さなどが自分に合ったオーダーメイド枕を作るのがベストですが、自分で即席の「手作り枕」を作ることもできます。

用意するものは、新品の玄関マットと大き目のタオルケット。玄関マットは、厚さ1cm、大きさ60×90cm程度の、硬くしっかりしたものを選びましょう。ホームセンターなどに売っている、毛足は短く、しっかり硬めで、裏地にも硬い素材が使われているものが適しています。薄手のマットは避けましょう。この玄関マットを3つ折りし、その上にタオルケットを畳んで置くと、硬くフラットな枕が作れます。

上向き、横向きの姿勢をとってみて首が楽か、寝返りがしやすいかをチェックし、首に一番負担がかからない高さを見つけましょう。違和感がある場合は、タオルケットの折り返しを1枚ずつ増減して枕の高さを調整してください。

睡眠HACKS,山田朱織
(画像=THE21オンライン)

⑤布団の中の環境

靴下はNG!就寝前に寝具を温めて

冬場は冷えるので靴下を履いて寝る人も多いですが、これも寝返りを妨げる原因になります。季節を問わず、寝るときは裸足が原則です。布団の中が冷たくて眠れないときは、電気毛布などを使って寝る前に寝具を温めておくこと。このとき、寝ている間もつけっぱなしにするのは厳禁です。一晩中つけていると、身体に備わる体温調整機能が狂うので、寝る前には必ずオフにしましょう。

電気毛布のかわりに、湯たんぽを入れておくのも良い方法です。ただし置く場所は、足元など身体から離れたところにしましょう。身体の横に置くと寝返りができなくなるのでNGです。

⑥仮眠の環境

長時間出張の際は必ず窓際の席を予約する

日中の15 ~ 30分程度の仮眠は疲労回復に効果があります。しかし姿勢が悪いと逆効果。昼休みなどに、デスクに突っ伏して仮眠すると、首が痛くなり、腕や手もしびれてしまいます。それを防ぐには、厚い本やファイルをデスクの上に積み、その上にタオルなどをかけて頭を乗せます。両腕は積んだものを抱えるようにする寝方がお勧めです。

また、電車の中の場合、首を前に垂れる寝方は首に負担がかかってしまいます。上半身はまっすぐにして、後頭部は窓にもたせかけるポジションがベストです。飛行機や新幹線などを使って長時間移動をする際は、窓際の席を予約して、少しでも快適に寝られるよう工夫をしましょう。

山田朱織(やまだ・しゅおり)
16号整形外科院長/㈱山田朱織枕研究所代表取締役
1989年、東京女子医科大学卒業後、同大学整形外科教室、成瀬整形外科などを経て、2007年より16号整形外科院長となる。03年、睡眠姿勢の研究と整形外科枕開発を目的とする、㈱山田朱織枕研究所を設立。著書に、『頭痛・肩こり・腰痛・うつが治る「枕革命」』(講談社+α文庫)など。≪取材・構成:林加愛/ILLUSTRATION:勝山英幸≫(『THE21オンライン』2018年11月号より)

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