相続税法上では、建物の評価は、固定資産評価額×1.0倍と規定されています。 しかし、被相続人が所有していた家屋が老朽化していた際、固定資産の評価に影響はあるのでしょうか。

老朽化した家屋の評価
(画像=PIXTA)

固定資産税における建物の評価額は、不動産の購入価額や実際の建築工事費ではなく、総務大臣の定める固定資産評価基準によって算出しています。

固定資産評価基準では、再建築費(価格)を基準として評価する方法(再建築価格方式)を採用しており、評価の対象となった家屋と同一のものをその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費を求め、その家屋の建築後の経過年数に応じた減価を考慮し、その家屋の価格を求めるものです。

なお、3年に1度、全国一律で評価替えが行われますが、その時の物価・資産価格の変動を考慮するため、建物の建築後の年数が経過していても、評価額が上がることもあります。しかし、前年の固定資産評価額は上回らないように価額を据え置きます。その結果、建物が老朽化しても、評価額は下がらないといった状況もでてきます。

もし、固定資産課税台帳の登録価格に不服がある場合には、東京都固定資産評価審査委員会及び各都税事務所に置いてある審査用紙にて、東京都固定資産評価審査委員会に対して家屋調査・審査の申出をすることができます。

(提供:チェスターNEWS