会社が企業型確定拠出年金を導入していたり、自分で個人型確定拠出年金(イデコ)に加入したりと、確定拠出年金を利用する人は増えています。ところがいざ資産運用になると、商品が多すぎて定期預金や保険などの元本確保商品ばかり選んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は投資初心者に知っておいてほしい商品選びのポイントを3つご紹介します。

資産を増やすことより将来のリスクを少なくする意識を

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(画像=PIXTA)

確定拠出年金を利用している人の中には、別に増えなくてもいいから安全に積み立てをしたいという人もいると思います。しかし利益を出すことにこだわらない人でも、元本確保商品のみに資産を集中させるのは逆にリスクがあります。

最も心配なのはインフレーションのリスクです。確定拠出年金を受け取ることができるのは60歳以降です。そのときに物価が上がっていれば、元本確保商品でお金は減っていないと思っていても、実際には現在と比較して買えるものが少なくなっているかもしれません。

運用して資産を増やすのもよいのですが、将来のさまざまな可能性に対処できるように、資産をいろいろな商品に振り分けて持つという意識も大切です。

運用商品の選び方のポイント3つ

確定拠出年金は投資信託がおすすめ

確定拠出年金で投資できる商品には、大きく分けて預金や保険商品などの元本確保商品と、株式や債券を中心とした投資信託がありますが、どちらかと言えば投資信託への投資にメリットが多い制度です。

というのも、普通の証券会社の投資信託で利益が出た場合はその利益に税金がかかりますが、確定拠出年金で運用して出た利益には税金がかからないので、その分効率的に投資を行うことができるからです。

もちろん、全部を投資信託にする必要はありませんが、自分が持つ資産に投資信託を組み入れることも考えてみましょう。

海外の商品も組み入れてみよう

商品の組み合わせを考える場合、国内のものだけでなく、海外の商品も組み入れてみましょう。経済や景気にはどうしても波がありますので、皆さんが退職するときに日本の景気がよくなっているとは限りません。

日本の商品だけで運用していると資産が日本の経済状況や景気にダイレクトに影響されますが、海外の商品にも分散しておけば、その影響を少なくすることができます。

とはいえ、いきなり値動きの激しい国の商品を買う必要はありません。まずはアメリカやヨーロッパなど比較的安定している地域の商品から調べてみましょう。

初心者はインデックスファンドがわかりやすい

投資信託の中には、大きく分けて株価指数に連動することを目指した「インデックスファンド」と、株価指数を上回ることを目標に運用されている「アクティブファンド」があります。株価指数とは、ニュースでよく目にする日経平均株価やTOPIX、ダウ平均株価といった指数です。

このうち、投資に慣れていない方におすすめしたいのは「インデックスファンド」の方です。

インデックスファンドを選ぶメリットの1つは、手数料が安いことです。アクティブファンドは株価指数を上回るようにプロがさまざまな分析をして運用しますが、そのすべてでいい結果が出るわけではありません。確定拠出年金は長い期間運用する必要がありますので、毎年の手数料が安いということはそれだけで有利になります。

また、インデックスファンドは日経平均株価などの有名な指数と同じような動きをするので、日常のニュースに関心を持ちやすいというメリットもあります。「最近は景気がよくなってきたので、利益が出ている日経平均連動の商品を売ってもいいかな」と意識を持つだけで、売るタイミングを自分で考えるいい勉強になります。

確定拠出年金だけでなく、自分が持っている金融資産全体で考えよう

確定拠出年金で毎月保険商品を1万円、投資信託を1万円ずつ買い、50%ずつでバランスよく資産を配分していると思っていても、他の証券口座で毎月2万円投資信託を積み立てしていれば、状況は変わってきます。全体として毎月の貯蓄の4分の3を投資信託に回していることになり、リスクのある商品に偏ってしまうため、バランスが悪くなります。

確定拠出年金の資産運用を始めると、確定拠出年金の商品だけでバランスを考えてしまいがちですが、自分が持っている資産全体で考えてみることも大切です。

運用商品は自分で選んでみることが大切

はじめに元本確保商品だけではリスクがあるとお伝えしましたが、自分で運用を勉強した結果、納得して元本確保商品だけを購入するのであれば問題ありません。確定拠出年金は自分で運用していくものですので、ほったらかしにせず、納得できる商品を選んでいくことが大切です。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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