関西圏、東京圏と重なる銘柄も、研究施設を投資対象にした産業ファンドに注目

一方、関西圏では医療・健康分野で国際的な技術開発が行える研究拠点の整備やチャレンジ精神旺盛な人材が集まるビジネス環境を整えた国際都市の形成を掲げていますので、東京圏と同様、容積率の規制緩和などが行われると考えられます。投資する銘柄は、東京圏とほぼ似たような感じになると思いますが、高度医療の提供に役立つ医療機関や研究機関、メーカーなどの集積と連携強化を掲げていることから、医薬品メーカーに関連した銘柄や研究施設を投資対象用途にしている〈産業ファンド〉のような銘柄に注目していただければと思います。


沖縄、世界水準の観光リゾート地整備、大手ゼネコン、ホテルなどの銘柄に期待

続いて沖縄ですが、観光ビジネスに力を注ぐ方針を打ち出しており、世界水準の観光リゾート地の整備を行うとともに、地元の大学と連携して、国際的な研究拠点を生み出し、新たなビジネスモデルを作ることを目標にしています。入館手続きの迅速化やビザ要件の緩和などで外国人観光客が旅行しやすい環境が整えば、おのずと外国人観光客の数は増えますので、新たに宿泊施設や商業施設などの建設需要が見込まれます。以上のことから、大手ゼネコンの関連銘柄やホテル、レジデンス銘柄への投資は非常におすすめと言えます。

このほか、新潟県新潟市や兵庫県義父市では、農業の構造改革を進め、6次産業化による付加価値の高い新たな農作物・食品の開発が行われるほか、福岡県福岡市では国内外から人と企業を呼び込み、産業の国際競争力の強化を図る意向です。いずれも、国家戦略特区による開発事業に積極的に関与していくことが見込まれますので、農業・食品関連の銘柄や、建設、オフィス、レジデンス系の銘柄に目を向けていただければと思います。


投資機会増加も、物件過多により需給バランスが崩れる恐れも

国際戦略特区を設けたことで、都市再開発の促進や不動産需要の増加が見込まれ、アベノミクスは不動産市場にも追い風となりました。一方では、将来的に不動産物件が供給過多に陥り、需給バランスが崩れる恐れもあります。そうなった場合、投資口価格(株価)が暴落する可能性は高いですので、冷静な判断で見極めをすることが重要になります。リスクが高いとされるFX(外国為替証拠金取引)や株式投資だけでなく、J-REITのように比較的リスクが低い投資信託の金融商品も交えながら、堅実な資産運用が行っていければベストですね。

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