「旅×ウェディング」を日本の新たな文化に
海外で挙式をした人を対象にした「ゼクシィ 海外ウエディング調査2018」によると、81.0%がフォトツアーを行ない、97.1%が挙式写真撮影を行なっている。かけた費用も前年から増加しており、海外ウェディングフォトの高い人気がわかる。ただ、撮影場所はハワイが大半を占めているのが現状だ。そんな中、〔株〕レックが展開する「ラヴィ・ファクトリー」は、顧客の希望に応じて、世界各地でウェディングフォトを撮影するサービスを行なっている。2018年12月24日からは、「世界5大陸フォトウェディング」企画のモニターも募集中(19年4月30日まで)。その意図を、同社海外事業部部長・宮澤省悟氏に聞いた。
* * * * *
結婚式当日の新郎新婦の様子を追いかけて撮影し、ドキュメント風のアルバムにまとめるという、今では一般的なウェディングフォトのスタイルを作ったのが、ラヴィ・ファクトリーだ。そして、今また、新たなウェディングフォトのスタイルを定着させようとしている。それが、「ワールドロケーションフォトウェディング」である。
「ハワイ以外でも海外ウェディングフォトの撮影ができないかと動き始めたのは、4年ほど前です。当時はハワイと上海にしか海外店舗を持っていなかったのですが、『他の人とは違うことがしたい』というお客様の声があったからです。
2017年4月にパリとグアム、18年4月にニューヨーク、そして10月にフィレンツェに店舗を出して、海外展開を本格化させました。これからも海外店舗を増やしていく予定です」
店舗にはカメラマンとヘアメイクが常駐しているが、店舗のない場所でも、日本からカメラマンとヘアメイクが赴く形で、撮影を受け付けている。
「撮影スタイルも、従来のウェディングフォトでは『1カ所につき1時間撮影』といったパッケージになっているものが一般的でしたが、色々な場所を1日かけて巡りながら撮影する形に変えました。『結婚式当日よりも、撮影のほうが楽しかった』と言っていただけるカップルもいます。
また、日本ではあまり例がないサービスですが、カメラマンやヘアメイクをお客様に指名していただけるようにしています。当社は、日本でウェディングフォトを撮影するインバウンド事業のために上海や香港にも店舗を持っているのですが、海外のお客様にとっては、カメラマンの指名も終日撮影も以前から当然のことでしたから、日本はまだまだ遅れているように感じますね」
カメラマンの技量を高めるため、ラヴィ・ファクトリーでは半期に1度、社内コンテストを行なっている。先入観が入り込まないようにカメラマンの名前を伏せ、写真自体を厳正に評価するものだ。その結果によって、カメラマンをL1からL4までのランクに分けている。ちなみに、部長である宮澤氏もカメラマンとしての仕事をしており、コンテストにも参加している。
「パリやニューヨークで終日撮影をするというのは、サービスを始めたときは新しかったのですが、今回、モニターを募集している『世界5大陸フォトウェディング』企画では、さらに新しいスタイルを提案しています。それが、『旅×ウェディング』です。ウェディングドレス姿だけでなく、旅の途中で観光をしている姿も撮影するのです。結婚式の前に、ウェディングフォトの撮影も兼ねて、ハネムーンを楽しんでいただこう、ということです」
「世界5大陸フォトウェディング」の撮影地は、世界一の絶景として取り上げられることが多いボリビアのウユニ塩湖(アメリカ大陸)の他、カンボジアのアンコールワット(アジア大陸)、ギリシャのミコノス島(ヨーロッパ大陸)、ケニアのマサイマラ国立保護区(アフリカ大陸)、オーストラリアのケアンズ(オーストラリア大陸)だ。撮影は、コンテストで上位5人に選ばれたカメラマンが担当する。特別サイトから応募してモニターに選ばれれば、撮影費用約100万円相当が無料になるということもあり、2019年1月10日時点で120組を超える応募があったという。
「マサイマラ国立保護区のような、ウェディングフォトを撮影する日本人がほとんどいない場所も含めて、世界5大陸にまたがってロケ地を選んだのは、この企画に大きなインパクトを持たせたかったからです。そして、この企画をきっかけに、日本のウェディングフォトに、『旅×ウェディング』という新しい文化を作りたいと思っています」
THE21編集部(『THE21オンライン』2019年01月29日 公開)
【関連記事THE21オンラインより】
・やってはいけない!「海外旅行のタブー」
・女性の心をつかむ 7つの会話術
・【今週の「気になる本」】『僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!』
・エボラブルアジア「民泊の需給ギャップは大きなビジネスになる」
・元国際線CAの「スマートな出張術」