若い世代がデジタルバンキングを選ぶ理由とは
最近、JPMorgan Chaseとゴールドマン・サックスが提供するデジタルバンキングが高い評価を得ているという。
従来の銀行システムを壊してくのは、ミレニアル世代やジェネレーションZの消費者である。
パフォーマンス・ブランディングの専門家である「BrandCap」は、金融サービスブランドの財務関連性指数を作成した。下記の4つの項目がこの指数を構成している。
- 能力:使い勝手の良さなど
- 共感性:時代にニーズを捉えているか
- 特徴:ブランドとしての特徴があるか
- 信頼性:他のブランドより信頼できるか
18歳から34歳のミレニアル世代とジェネ-レーションZは、最も親しみやすいブランドとして下記の3つのデジタル事業体を選んでいる。
なぜこれらのデジタル・ブランドは、これほど親しみやすいものになったのだろうか。
最大の要因は能力と特徴に関する指数が中央値以上の2桁スコアであったことである。BrandCapによると、Marcus、Venmo、Finnはデジタルブランドであり、期待以上のサービスを受けていると評価されている。
同社によると、Marcusの金融サービスプラットフォームは顧客の抱える問題点を取り除き、財務管理を容易にすることを目指しているという。
さらに、負債の管理方法や達成可能な財務目標のを顧客に示すことでMarcusの共感性と特徴が顕著に出ていることがわかる。また親ブランドの権威も得られている。BrandCapによると、消費者はゴールドマン・サックスの支援を受けていることがわかっている場合には、個人情報を提供することに非常に前向きだ。
ブランドキャップのディレクター、リンゼイ・ベルツァー氏は「財務関連性指数の上位から見てわかるように、トップの企業はユーザーのニーズを満たすために製品やサービスを素早く改善することや、またモバイルファーストの体験を作り出すことが愛着を沸かせることにつながり、顧客にあった利便性を中心とした新しい銀行を提供している」と述べた。
BrandCapの調査によると、ミレニアル世代とジェネ-レーションZでは、ブランドを選ぶ際に異なる基準を持っていた。
信頼性と能力はミレニアル世代にとって最も重要な要素であり、彼らはデジタルバンキングには慣れているが、従来の銀行業を全く利用しないわけではない。
彼らは「JPMorgan Chase」「 Venmo」「Capital One」 を最も信頼できるブランドと考えている。
ジェネレーションZの消費者は特徴と共感性を優先しており、従来の銀行業ではないデジタルブランドの方が安心できることを示している。彼らにとっては「Marcus」「 Finn」「 Venmo」が最も親しみやすいものであった。
しかし両グループに共通するのは、大規模な伝統的銀行への興味が比較的低いことである。「HSBC」「ウェルズ・ファーゴ」「TDバンク」は指数内で最も関連性の低いブランドにランクされた。BrandCapによるとサイバー攻撃とデジタル詐欺の時代にあって、顧客は金融サービスに対して、誠実さ、倫理的な営業、透明性のあるコミュニケーションを最優先事項にするよう求めているという。
ベルツァー氏は「生活との関連性をもたらすことが本質的にブランド力向上の要因となる」と述べた。
「これからの金融業界は若い顧客を取り込み、使い勝手、共感力、信頼性、特徴を植え付けるブランドを構築していき、また主要な収入、支出、借入が管理可能な生涯にわたって利用できるサービスを作る必要がある。このことは金融機関にとって大きなチャンスになるだろう」と付け加えた。
以下はBrandCap金融関連性指数のスコアである。
- Marcus (136)
- Venmo (127)
- Finn (121)
- JPMorgan Chase (116)
- Robinhood (112)
- Capital One (112)
- Credit Karma (108)
- Zelle (103)
- Bank of America (97)
- Citi (91)
- PenFed (87)
- MoneyLion (86)
- Wells Fargo (79)
- TD Bank (78)
- Navy Federal Credit Union (72)
- HSBC (60)
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