将来的な公的年金の不足が囁かれています。人生100年と言われる現代、リタイア後、退職金と公的年金だけで私たちの生活が賄えるかについて不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。そして実際、これらだけでは定年退職を迎えた後、豊かな老後を送ることはほぼ不可能だと言われています。本稿では、私たちが将来もらえる可能性のある年金額を試算しつつ、安定した老後を送るためにいくら必要なのかについて考えてみます。

リタイア後、生活費はいくらもらえる?

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(画像=Syda Productions/Shutterstock.com)

やっと日々の労働から解放された、これから先は好きなことをして生きていきたい。そんな悠々自適の老後生活を夢見ながら、今なお日々懸命に働いている人はたくさんいることでしょう。

しかし果たしてそのとおりの生活を送ることができるでしょうか。1980年代には60歳が主流だった定年年齢が、今や65歳に引き上げられました。それどころか政府内では今後、70歳を現役とし、75歳以上を高齢者と定義する案も検討されています。その理由はもちろん、国内の労働者人口の大幅な減少と少子高齢化による年金不足によるものです。

いずれにせよ、公的年金の将来的な不安が現実となりつつある現在、もし本日定年退職を迎えてリタイアしたと仮定したら、老後資金として一体いくら支給されるのでしょうか。

厚生労働省が発表した「平成30年就労条件総合調査結果の概況」 によると、定年時における平均退職給付額は、大学卒では1,983万円、高校卒では1,618万円となっています。また、老齢基礎年金の額は2018年において77万9,300円です。さらにここに厚生年金が加わります。厚生労働省の調査によると、2017年度における厚生年金は14万7,000円が平均受給額となっています。

国民年金と厚生年金を併せたものを月額で換算すると約22万円となります。しかもこれは満額受け取った場合です。かたや2018年における大学卒の初任給が約21万円であることを考えると、年金だけで生活することはできるかもしれませんが、いわゆる「豊かな老後」からは程遠い結果になることが見えてきます。

実際の生活費は?

では、生活費は平均していくらかかるでしょうか。2017年の総務省の統計によると、二人以上の世帯の生活費の平均は60~69歳で約29万円、70歳以上は23万5,000円となりました。間を取って夫婦二人で約26万円を生活費と考えると、高齢者世帯はかなり切り詰めた生活をしていることがわかります。

さらに高齢者世帯は年齢を重ねるにつれ、医療費や介護費がどんどん嵩んでゆくことになります。場合によっては年金に加えて貯金を切り崩すというかたちになるでしょう。しかし上述したように定年時における大学卒の退職金は1,983万円となっています。仮に85歳までの20年間で考えると、年間に切り崩せる金額は夫婦二人で100万円にも満たないものです。このように考えると、実際のところ、高齢者の生活はかなり厳しいと言わざるを得ません。

将来のリスクにどう備える?

支給される年金では生活に余裕がないため、退職金を切り崩してゆく。しかしそれであっても、高齢者の生活は厳しいものです。では、老後のリスクに備えるにはどうすれば良いでしょうか。

この問題についてよく話題に挙げられるものに、「iDeCo(イデコ)」という確定拠出型年金と「つみたてNISA」という投資信託があります。双方とも目的は老後資金への備えであり、iDeCo(イデコ)は掛金が全額控除され、つみたてNISAは毎年非課税枠があることが特徴です。

ただし、これらについては一つのデメリットがあります。それは一時的な支給によって貯蓄を増やすことにはつながるものの、年齢を重ねるにつれて貯蓄が目減りしてゆく不安感を解消するものではないということです。

高齢になるにつれて働きにくくなったり、働くことができなくなったりする中、貯蓄だけがどんどん目減りしてゆく。精神的なものであるとは言え、この不安感は幸せで豊かな老後生活の大きな壁となり得ます。これらを解消するには、たとえば不動産投資によるマンション経営のように、安定した金額が毎月大きく入ってくることの方が望ましいと言えます。

老後リスクを回避する投資を複数兼ねることも

豊かな老後を送るにはやはり早めの備えが大切です。運用方法はさまざまですが、どのような運用にも一長一短はあるものです。老後の備えにあたっては「iDeCo(イデコ)」、「つみたてNISA」、「不動産投資によるマンション経営」のすべてを行うことも可能です。老後のリスクに備えて、今からでも少しずつ投資について考えてみても良いのではないでしょうか。(提供:Dear Reicious Online


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