後で結婚することは退職後の貯蓄に何か影響があるのだろうか。
ボストン・カレッジのリタイアメント・リサーチ・センターが結婚前後の401 (k) プラン(米国の確定拠出年金制度のうち、内国歳入法401条(K)項を根拠とする税制適格年金制度。出展:企業年金連合会用語集 )への個人の貢献度を分析し、それを明らかにした。 「ミレニアル世代は前の世代より遅く結婚する。結婚はしばしば若者と成人の間の境界線を示す人生の重要な節目であるため、この遅れが退職後の貯蓄にどのように影響するかは論理的な問題である」と報告書は述べている。
30歳で結婚したのはミレニアル世代のわずか41%、ベビーブーマー世代の59%だった。 このレポートでは、確定拠出年金プランの据え置きに関するW-2の記録にリンクされた 「所得とプログラム参加に関する調査」 のデータを使用して、結婚が退職後の貯蓄にどの程度影響するかを判断している。
結婚による影響
分析の結果、人々は結婚後に401 (k) プランへの参加と貢献の両方を増やすことが分かった。
参加という点では、男性の方が女性よりも結婚後に少し多く反応する。調査によると、男性は結婚前の女性よりも参加率が低いが、結婚すると同じレベルになることがわかった。 結婚後、女性の寄与率は平均0.8ポイント上昇したが、男性は0.3ポイントしか上昇しなかった。
晩婚は退職後の貯蓄額に影響するのか
これらの結果を受けて、この研究では、晩婚化の傾向が今後も続く場合にこれが何を意味するのかを調べている。
そのためには、401 (k) プランで65歳までに蓄積された退職後の富が、遅く結婚した場合に男女でどれだけ影響を受けたかを調査しなくてはならない。
分析は、ベビーブーマーとミレニアル世代の間で起きたおおよその増加に基づいて、結婚が5年遅れると仮定している。
例えば、1970年後半の男性の初婚年齢の中央値は約24歳であったが、2017年には29歳を超えた。
分析によると、遅延の影響は、回帰においては統計的に有意であるが小さいことがわかった。すなわち、男性の累積資産の3.1%の減少と女性の3.4%の減少である。
「結婚の遅れはある種の貯蓄―例えば、家の所有を遅らせること―にとって問題になるかもしれないが、退職後の貯蓄に大きな影響を与えることはなさそうだ」と報告書は述べている。
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